サラリーマンは早くやめるべきか?それとも会社にしがみつくべきか?

コロナウィルス感染によって、世の中の価値観が大きく変わっています。中でも仕事に対する考え方には、特に大きな変化が生まれています。

企業経営は環境変化の激化によってリスクが大きくなり、大企業に勤務していても安泰とは言えなくなりました。また、副業を解禁する会社も増え、会社から独立して自分で稼ごうと考えるサラリーマンも増えています。

会社を飛び出す人がいる一方で、経済需要が減退し、景気が悪化する中、現状の環境下では安易に会社を辞めるべきではないとアドバイスしている人もいます。

私は、48歳でサラリーマン生活に終止符を打ち、資産デザイン研究所を立ち上げ、8年間やってきました。幸い、業容は年々拡大し、今のところ起業する前に想定した予想を遥かに上回る結果になり、今も順調に仕事をすることができています。

今振り返って思う事は「もっと早く独立すればよかった」です。

しかし、今の仕事のベースは、今まで仕事をさせてもらった会社での経験から培われたものであることも忘れてはいけないと思っています。サラリーマンとしても実務経験が無いまま起業しても、今の私はなかったと思っています。

とは言え、会社で言われたことを淡々とこなしている仕事のやり方では、経験年数が長くなっても将来の展望は開けません。社内でしか役に立たないことに時間を割くのではなく、毎日の仕事から将来の自分のスキルになると思うことを着々と吸収する貪欲さが必要です。

そして、入念な準備が出来てから、独立を試みるのが良いと考えています。

仕事は、自分の努力だけでは、コントロールできないことも多々あります。私の場合も、独立と同時にアベノミクスが始まり、さらに最近では「年金2000万円問題」を機に資産運用に関する関心が高まっていることも、仕事の追い風になっています。

誰にでも、安易にに独立を薦めるつもりはありません。闇雲にリスクをとって、起業に失敗している人が存在するのも事実です。

しかし、一度の人生を悔いなく生きるには「リスクを取らないリスク」だけは避けるようにすべきです。やって後悔するよりも、やらないで後悔することの方が、後から何ともやるせない気持ちになるのではないかと思っています。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年11月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。