コロナ禍でも飲食店が繁盛し続けるための条件

街中の飲食店の閉店が目立つようになってきました。特に路面店の一等地にある大箱のお店が厳しそうです。

元々の家賃が高く、高回転を前提に高い損益分岐点で営業していることから、来客者が少し減ると直ぐに固定費が賄えなくなってしまうのです。

そんな厳しい経営環境でも、繁盛している飲食店は結構あります。

今週ランチの時間帯にふらっと入ったハンバーグの専門店は、ひっきりなしにお客様が来店。ランチタイムが終わる13時近くになっても、順番待ちをしている人がいました。

このようなコロナ禍でも繁盛しているお店を眺めてみると、いくつかの特徴があると思います。

特徴1. 少人数の固定客を相手にしている

予約が殺到して相変わらずなかなか行けないお店があります。このようなお店は、そもそも席数が少なく、固定客が付いています。来店した常連客が次の予約をしていくというリピートを繰り返しているので新規の予約が取れなくなってしまう。予約が取れなくなってしまうのを恐れて、次々予約が入って余計に予約困難店になっていく。

典型的なのがカウンターだけの高級寿司店です。

特徴2. ニッチなマーケットを深掘りしている

前述のハンバーグのお店は、ポーク100%のハンバーグに特化して、メニューはハンバーグだけで7種類。その代わり、材料にこだわって、お肉の旨みを味わってもらえるように工夫しています。

決して良い立地とはいえませんが、独自の商品を提供しているから、わざわざやってくるお客様がたくさんいるのです。ある特定の分野に特化して、そこでオンリーワンの存在になる。「ここにしかない価値」を提供することで、顧客から選ばれているのです。

特徴3. 「価値>価格」を徹底的に追求している

価格を上回る価値を提供するお店も繁盛しています。ただしここで注意しなければならないのは、単に低価格なだけでは、「安かろう悪かろう」で持続的な集客はできないということです。逆に、ある程度高価格であっても、それを上回るクオリティーがあれば、顧客が集まってきます。

ディスカウント競争に巻き込まれなく、価格を上回る価値を提供することが大切です。

と偉そうに書きましたが、私が経営するSHINOBY’S BAR 銀座が、上記のポイントを満たしているかと自問すると、まだまだ足りないものがたくさんあると反省ばかりです。

今日も実験的なイベントを少人数で開催してみます。そんな新たなチャレンジを続けながら、お客様に選ばれるお店を目指していきたいと思います。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年12月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。