東京都の飲食店時間短縮要請で都民に説明して欲しいと思う「3つの事」

新型コロナウイルスの感染拡大で、東京都は飲食店全般に午後8時までの時短営業を要請するようです。

しかし、この時期になぜ飲食店の営業時間短縮が、最も効果的な感染症対策になるのか、疑問に思っている私のような人は多いと思います。

(NHKニュースより:編集部)

小池東京都知事には、今回の対策を実施する前に、是非都民に現状認識とそれを受けた対策の理由をわかりやすく説明することを希望します。

まず知りたいのは、昨年春のコロナ感染拡大から今まで、東京都が医療設備のキャパシティ拡大対策として、何をしてきたかです。

重症者が101名と過去最大になったことで、医療施設のひっ迫が叫ばれていますが、この間重症者の医療施設への収容可能数は、都内でどの程度増えたのでしょうか。これだけの時間があったにも関わらず、以前と同じようなキャパシティだったとすれば、この状況は行政の怠慢が原因と言わざるを得ないですし、その理由を知りたいとも思います。

次に、今回も飲食店に対し補償金を支払うとしていますが、その財源は確保されているのでしょうか。既に東京都はコロナ対策に1兆円近くを使ってしまい、今後増税の可能性も高まってきました。東京都の財政状況についても、正しい情報を知らせるべきです。

そして、そもそも飲食店の営業時間短縮で、どの程度の感染拡大抑制効果があるのでしょうか。費用対効果が明確でないのに、検証もせずばらまいて良いのかと疑問になります。

新型コロナ感染拡大と医療施設のひっ迫は確かに大きな問題です。だからこそ闇雲に無駄玉を打ちまくるのではなく、効果のある対策をピンポイントに実行すべきです。

私のような新型コロナ感染症の素人にもわかりやすく、納得できる説明を是非聞いてみたいと思います。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年1月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。