菅首相も「上から百合子」を見習った方が良い

菅義偉首相の年頭の記者会見をネットでライブ視聴しました。緊急事態宣言の再発令を検討するというのが主な内容でした。

政府サイトより:編集部

これを受けて、東京都の小池知事が「首相の検討表明を歓迎」と表明したと報じられました。首相の判断を「歓迎」するという都知事の「上から目線」。このやり取りを聞いて、何だかどちらが首相でどちらが知事なのか、よくわからなくなってきました。

菅首相の記者会見を聞いていると、政策内容に関しては極めて真っ当で、誠実に聞こえます。緊急事態宣言以外にも、これまで携帯電話料金の引き下げ、デジタル庁の設立、不妊治療の保険適用拡大による少子化対策など、日本の将来を見据えピンポイントに政策を打ち出しています。

しかし、菅首相を見ている国民の多くの人が気が付いていて、中々言えないことがあります。

それは、菅首相は「見た目で損している」ということです。

新型コロナ感染拡大で不安になっている今、国民が求めているのは、自信に満ちて、堂々とした国のリーダーです。官房長官時代のイメージが強いせいなのか、叩き上げという経歴がそう感じさせるのかわかりませんが、安倍前首相に比べると、画像からのイメージが何だか弱々しく見えてしまうのです。

それに拍車をかけるのが、記者会見のスピーチが原稿を棒読みするような、慎重な発言になってしまっていることです。せっかくの良い内容なのに、自分の言葉で語っているというより、官僚の文章を棒読みしているように見えてしまう。

見た目の地味なキャラクターは、簡単には変えられないとは思います。でも、スピーチのスキルは、努力である程度は変えることができます。内閣支持率の急落で自信を無くして焦っているのかもしれませんが、少なくとも表面的には堂々と自信と余裕を見せないと、勿体ないと思います。

安倍元首相や小池東京都知事に共通するのは、何だかよくわからないが自信と余裕がありそうに見えることです。

特に、小池知事は「上からマリコ」ならぬ「上から百合子」と形容できるような態度で、余裕を見せることで実態以上に自分を良く見せることに成功しています。

「人は見た目が9割」という言葉もあります。政治家の評価は「何を話すか」や「何をやるか」よりも「見た目」に左右されます。

菅首相の見た目の変化を期待しています。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年1月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。