6日に大阪で560人の新型コロナ新規感染を受けて、大阪府の吉村洋文知事が2度目の緊急事態宣言を政府に要請することを決めた際、「一挙にガラスの天井が突き抜けた」と(天然)ボケたことについて、大阪のみならず、ツイッター界隈から大いにツッコミが入っています。
しばしばの事実誤認も愛嬌になっている映画評論家でコラムニストの町山智浩氏ですが、今回は「『ガラスの天井』は女性の出世や昇進を阻む見えない限界のことです」と適切なツッコミ。
元大阪府知事のふーちゃんこと太田房江氏も、優しく指摘しています。
一流紙である毎日新聞は、しっかり校閲をつけて、「ガラス」を抜いてくれたようです。
大阪知事「天井突き抜けた」 緊急事態要請 兵庫、京都知事も危機感(毎日新聞)
コロナウイルスが「ガラスの天井」を突き破れるはずがありません。本来の意味は、
ガラスの天井(ガラスのてんじょう、英語: glass ceiling)とは、資質又は成果にかかわらずマイノリティ及び女性の組織内での昇進を妨げる見えないが打ち破れない障壁である。
当初は、企業や組織、政治の世界などにおける女性のキャリアを阻む障壁のメタファーであったが、現在は男女を問わずマイノリティの地位向上を阻む壁としても用いられるようになった。(Wikipedia)
です。
他にも、
「『ガラスの天井』は80年代から使われ、ヒラリー・クリントン氏が2016年の大統領選敗北宣言にも使った言葉です。これを政治家が知らないのでは、あまりにも不勉強と言わざるを得ません。」
「ガラスの天井って言葉はマイノリティへの差別を表現する言葉だから単なる「誤用でした」じゃ済まない問題。」
などの、厳しい意見が散見されました。
4日朝に吉村知事は、2021年の抱負を聞かれ、「今年はコロナを乗り越える年にしたい。希望を持てる年にしたい」と前向きに述べていました。「ガラスの天井」という表現で緊張感を出したかったのでしょうが、今回は裏目に出る恥ずかしい結果となりました。