すべての日本のコロナ施策のミスはここから始まった
これは間違いないです。ほぼすべての施策は「若者が高齢者にうつす」という前提で行われています。
飲食店は夜8時まで
夜8時で街の電気消せ
運動会やるな
大学はすべてリモート
公園閉めろ
動物園も図書館も博物館も閉める
海に来させないように駐車場閉める(鴨川)
そしていまは
ワクチンは大学生はおろか子供まで打て
まで一貫して、「いかに子供を含めた若者の行動を制限するか」という前提で決められました。誰1人して疑っていない。弊害として「高齢者のワクチン接種が頭打ち」ということも見えてきました。若者が広げているのだから若者が打てば良いという考え方です。
ほんと、テレビで見てこう信じ込んでいる高齢者が多すぎます。あなたはいつ若者と接触したんですか?
この前提は、マーケティングを知らない人には一見正しいように見えます。
「若者の感染者数が多いから高齢者にうつしているに決まっている」
となるわけですが、世代間の交流や接触というものを全く考えていない。東京で高齢者と生活する若者は1%代なのです。
たとえると
若者にTikTokが流行ってるから高齢者にも流行って踊り出す
若者はタピオカをたくさん飲むから真似した高齢者が喉につまらせる
若者はスノーボードで飛ばすから高齢者に怪我をさせる
若者はナンパするから高齢者が引っかけられる
みたいなのと同じです。趣味嗜好性や、スキー場に高齢者がいるかとかまったく無視して、数が多ければ世代を超えて波及するという論理が破綻しているのです。しかしそれに気づかない。医療の専門家がそう言ってるからと鵜呑みにしている。彼らは治療の専門家で人流や人の行動の専門家ではない。
以前にも詳しく書きました。
国会で厚労省に質問すると、分科会と相談して出てきた証拠がこれ。
「夜の街から院内感染までタイムラグがあるから若者というか、20~50代が感染を広げている」という結論なのですが、はっきりいってこんなのを企業の会議の資料でマーケティング会社が出したら契約打ち切りです。夜の街や飲食店や家庭内感染には高齢者は関わっていないのかという点がごっそり抜けているからです。
大阪では明確に高齢者が感染の起点になっている
大阪府のデータではっきりと分かります。
第3波も4波も高齢者から感染拡大が始まり、そのあとで下の世代に伝搬しています。感染拡大が進むと高齢者はやっと引きこもるようになり、仕事などで引きこもれない下の世代に感染が広がる。
しかし、大阪は特殊だという方もいます。
そこでほかの都道府県はどうなのか、調べてみることにしました。
神奈川県もはじまりはいつも高齢者
大阪と同じでした。
第4波の感染の起点は高齢者の感染拡大から始まりました。
そしてその始まりとピーク時がほとんど同じ感染者数です。高齢者の感染は下の年代と違って一定しています。30代が急激に増えても連動しない。これは世代ではっきりと分断されていることがわかります。
もちろん大阪も神奈川も大半の高齢者は自粛しているはずです。しかし昼カラに通ったり真昼間から立ち飲みで飲んだくれているような高齢者が目立つのも確かで、高齢者同士で広がっていく。仮に若者が広げるなら若者の感染者の急激な増加の後に高齢者の感染者も1テンポ遅れて増加しないとおかしい。
東京はもっと顕著でした
東京のグラフです。20代と70代で比較します。
東京は高齢者が起点になってはいないようです。しかし・・
若者の感染拡大と高齢者の感染はまったく連動していない!!
高齢者の感染者数はだいたい一定しており、若者の感染拡大の影響を全く受けていない。東京が第4波で重症者が少なく医療崩壊しなかったのはそのせいもあるはずです。つまり
若者がいかに感染しようが高齢者には伝達していない
ということになり、医療崩壊を防ぐにはありもしない若者から高齢者への伝達を切ることより、高齢者施設などでの高齢者から高齢者への伝搬を切ることが最重要だということがわかります。そうすると、一番上のいままでの施策は大半が無意味で、
飲食店は高齢者が来られない夜8時から酒をOKにする
昼飲み、夕飲みの禁止
昼カラの禁止
高齢者施設の徹底封じ込め
ワクチンは高齢者を集中的にもれなく
若い層はある程度自由に
野外は全オープン
といういまとはまったく違う施策になります。80%の人流を広く浅くではなく、90%以上の濃い部分を徹底して抑えて薄い部分は開放して平均して80%の濃度にする。これが選択と集中です。いまはスーパーの売り上げを20%上げるためにラーメンから醤油まで全商品を20%余計に売ろうとしているのと同じ。売れる商品はたくさん売って売れない商品は無理に力を入れないというごく普通の考え方です。当たり前でしょ。
飲食店全部を規制してのきなみ潰すより、キャバクラやカラオケスナックなどを閉めさせて昨年の申告に応じて補償するほうが経済のダメージも最小限で済むって事です。
いまの凝り固まった先入観の「若者から高齢者にうつす」という考え方から「若者は若者同士で」「高齢者は高齢者同士で」伝搬するというデータから読み取れる形に変えることで経済に馬鹿げたダメージを与えず、効率的で有効な手を打つことができます。専門家が言ってるから間違いないの専門家は「治療」の専門家であって人の動きや思考の専門家ではありません。その点はわたしのほうがよほど専門家です。
編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2021年6月22日の記事より転載させていただきました。