先月末モデルナ社製ワクチンの可能配送量が上限に達したとして、政府は職域接種や自治体大規模接種の新規申請受付を休止しました。
時を待たずして、7月6日の記者会見で河野太郎行革大臣が、モデルナ社製のワクチンの供給量が1370万回分であったことを公表、想定していた量よりも少ないとメディアがこぞって疑問の声をあげています。
批判的なメディアは「河野大臣が5月の連休前には数量が少ないことを知っていたのにひた隠ししていた」という論調です。
当然ながら、厳しい非難の声が上がっています。
公表が今になったのは、都議選後まで隠していたと揶揄されてしまいます。
一方で、内閣府のHPで公表されている河野大臣記者会見要旨によると、6月1日、6月29日の会見の中で、記者からの「6月末までに4000万回分の供給を受けることができるか」という質問に対し、河野大臣は「モデルナ社製ワクチンは9月末までにトータル5000万回分供給されることになっている」と繰り返し回答、「6月末に4000万回分」を重ねて否定しています。
また、いつまでに何回分と段階的に具体的な数量が答えられないのは、モデルナ社との間で合意ができた数字のみしか公表できないという事情も繰り返し説明しています。
この件は、河野大臣自身がブログで反論しています。
モデルナ社との供給数公表についての事情は知る由もありませんが、世界的にモデルナ社製ワクチンの需要の高まったこと、日本でファイザー製ワクチンの調達・接種が比較的順調に進んでいることを考えて、モデルナ社が供給を後ろ倒しにしたことは、ありえることです。
そもそも、新型コロナ感染者・死亡者の人数が世界に比べて極めて少ない日本が、ワクチン調達がうまく行っていない途上国などを押しのけてまで強引にワクチン確保に動けば、そちらの方が国益を損なうという判断があったのかもしれません。
みなさんは今回のこの問題をどのように考えますか? アゴラサロンでも、この問題を議論しています。