今年度は教員採用試験が成り立たなくなってきているようです。
岐阜県の小学校採用試験は30年ぶりに2倍を切ったそうです。けれども、30年前と比べ、規制緩和で小学校の免許を取れる学校は大幅に増えています。そんななかで2倍を切るというのは、尋常でない事態かもしれません。
また、福岡県は1.1倍を切ったようですが、予定人員よりかなり多めに最終合格者を出すので、受ければ誰でもなれる状況なのでしょう。
現在の教職はだれでもできるような仕事ではありません。現場の先生からはこんな声が聞かれます。
教育委員会は採用してもいいですが、最後まで責任もってください。子供を掌握できず、崩壊し、結局1クラスに3人ぐらいの先生が自分の仕事の時間を削って見張っているなんて、ざらです。そんな担任は何も感じていないので毎年繰り返します。見守る先生方は疲労困憊になってしまいます。
なぜ倍率がここまで下がったのか、教採志望者と教育委員会の人の認識の差が甚だしく開いてしまっています。
教育委員会の人たちは、自分たちで業務量を増やし続けた結果の若者の教員忌避ということをあまり理解していないようです。
上記の初任者の先生もブラック部活で学校現場がめちゃくちゃになっていると言っていますが、部活は原因ではなく、労基法違反をはじめとして、法令順守を気にしないお役所の規範意識のなさの結果ではないでしょうか。これは学校だけでなく、日本のお役所全体に言えることかもしれません。
けれども、いちばんの被害者は子供たちです。指導力のない教員に教えられると心に大きな傷を残すこともありえます。
教員採用は教育の要、教育は国家百年の計です。
教員が若者のあこがれの職業になることを切に願います。