経営危機に陥っていた恒大集団が、23日の期限までにドル建て債券の利払いをできなかったと一斉に報じられました。
中国当局、恒大の破綻準備を指示 米紙報道 - 日本経済新聞
中国当局が不動産大手、中国恒大集団の経営破綻に備えるよう地方政府に指示していたことが23日わかった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが電子版で関係者の話として報じた。恒大の破綻による社会への悪影響を最小限に抑えるための措置とみられる。同紙によると、中国当局は地方政府に対し、会計士や法律家で構
恒大集団は事業内容を広げすぎて、資金調達に行き詰っていたと言われます。過去にも政府の救済で生き延びてきた経緯があります。
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この規模のショックは吸収できると言った見立てから、中国経済の減速の引き金になるとの見立てまで、状況は不透明です。
恒大債務問題「中国版リーマン・ショック」が誤解と言える明確な理由。「共同富裕」政策は厄介だが…
中国の不動産大手・恒大集団の巨額債務問題を「中国版リーマン・ショック」とも言える差し迫った危機とメディアは報じるが、金融専門家は「ケタが違う問題」と否定しています。
さらに、世界的な不況になるとの指摘も。
世界のバブル崩壊がついに始まったと言える理由
9月20日から22日にかけて、中国以外の世界の主要株式市場が一時急落した。きっかけは、中国不動産最大手の一角、恒大集団の破綻懸念だった。久々の大幅下落で、市場よりもメディアが騒ぎ立てた。中国の巨大な不動…
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他部門への影響も出てきたように見えます。中国恒大集団の電気自動車(EV)部門は、一部従業員の給料の支払いが滞っているほか、工場の設備機器納入業者への支払い等が遅延しているそうです。
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GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も96億円ほど投資していますが、担当者によるとGPIFの運用資金から見ると規模がかなり小さいので「直ちに年金運用への大きな影響はない」そうです。
今回支払えなかったドル建て債の支払いの猶予期間は30日間ですが、その間の動向が注目されます。
中国経済は、恒大集団だけでなく、ほかにもこのようなの破綻懸念が現れないか、慎重に見極めていく必要があります。