お金の不安を解消するのに必要なのは「知識」「情報」そして「仲間」

将来のお金の不安を持っている人はたくさんいても、その解決方法を手に入れている人はほとんどいません。それは、日本においては、相変わらず「資産運用=悪」という考え方が強く、お金に関する教育や情報提供が圧倒的に不足しているからです。

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私は、お金の不安を解消するのに必要なのは「知識」「情報」「仲間」の3つだと思っています。この3つを提供するために資産設計実践会というコミュニティを7年以上前から続けています。

まず、必要なものの1つ目は資産運用に対する正しい知識です。

資産運用とは、勝率の高い方法に出来るだけ多く参加し続けることによって、成果に結びつけることができます。

短期のデイトレードや、インデックスに確率的に勝てない金融資産のアクティブ運用は確率から考えれば割に合わない投資手法です。

相関の低い資産を組み合わせ、大数の法則に基づいて長期で続けていく。アセットアロケーションを中心にした長期分散投資こそ、最も合理的な資産運用手法です。

2つ目は情報です。

不動産をはじめとする実物資産は、情報の非対称性があり、インナーサークル情報にアクセスできる人とできない人の情報格差が収益の差を生みだします。インターネットのような公開情報だけでは、成果を出すことが難しいのです。

情報収集に手間とコストをかけ、それ以上の成果を狙うのが実物資産との正しい付き合い方です。

そして、3つ目は投資仲間のネットワークです。

資産運用とは孤独なものです。お金の話はデリケートで、家族や友人にもなかなか腹を割って話すことができません。また、知識や経験の無い人たちと話すと、不正確な情報や感情的な議論となってしまい、逆効果になってしまいます。

自分でリスクを取って実践している人たちと幅広いネットワークを構築して、自ら実践していることを情報提供することで逆に仲間からも情報を得られるようになれるのです。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年11月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。