「いったいいつぶりだろう?自身の意思で真剣勝負したのは・・・」
初めてボッチャを体験した感想です。
今回の体験を最も楽しみにしていたのは息子でした。息子は現在野球とサッカーを二刀流で習っています。私も両方ともかじっているのでALSじゃ無ければキャッチボールくらいは一緒にやれたはずです。父と息子、男と男の真剣勝負、それはALSが治るまでお預けだと思ってました。
しかし、それを可能にしてくれたのがボッチャです!
ボッチャ詳細ルール(公益財団法人 日本障がい者スポーツ協会より)
ボッチャの基本ルールは割愛して今回の体験で改めて知ったルールをお伝えします。
- ボッチャで使用するボールは、ルール上大きさと重さの規定が決まっています (周長が 270mm ± 8mm 以内、重さは 275g ± 12g 以内)。つまりマイボール制です。持ち玉6個のうち素材の違うボールがあっても構わないということです。これだけで論文書けそうです(笑)
- ランプ利用者の補助者は競技中、コートに背を向けていて、コートの様子を見ることは認められていません。補助者の意思を持ち込まないためのルールだそうです。ちなみに補助者がボールをにぎにぎするのはボールの形を整えているそうです。今回の体験では妻が補助者を務めましたがコート見まくりでした(笑)お互い素人ですから御愛嬌です。
- リリーサーの長さは 50cm 以内に収まるようにしなければなりません。ランプにセットしたボールは競技者自ら押さなければなりません。普通は棒(リリーサー)を口に咥えたりして押します。私は自ら押すのは不可能なので、今回の体験では私の手に棒を握らせてその手を妻が持って動かして押すことにしました。
ランプ(勾配台)
私はランプを単純な物理と侮っていました。つまりは、位置エネルギー=運動エネルギー、床の摩擦係数は一定、使用するボールも基本的に同じ重さ・形状。ここから導かれる物理的解は「同じ高さから転がせば同じ距離・方向に転がる」です。
けれども実際には全然物理通りにはいかず異なる距離・方向に転がります。その原因のひとつは、ランプの幅がボールの直径よりも若干広いことです。故に左右にズレる余地があります。それをコントロールするには『発射時にボールのどこをどんな勢いで押すか⁉︎』だと思いますが、今回の体験ではとてもマスター出来ませんでした。
体験記
これは朝から晩までやり続けられます。競技としての奥深さ、ランプの奥深さ、そして何より誰もが同じ土俵に立てる!ボッチャの無限の可能性を感じました。
また今回の体験では団体戦と個人戦をやりましたが、これまたゲーム性が全く違ってそれぞれ面白いです!ちなみに息子との勝負は団体戦惨敗、個人戦辛勝でした。息子は上手かったです。
これから
ちなみに岐阜県にはランプを使う選手はいないそうです。いよいよやるしかない環境です。近々岐阜県ボッチャ協会にもご挨拶に伺う予定です。
ALSの競技としてのボッチャへの課題
- 時間制限との戦い
- リクライニング車椅子だとランプの発射口が起こさないと見えない
- 残存機能で動かせるロボットアーム的なものが必要(上記のリリーサーの条件を満たすもの)
- 補助者とのコミュニケーション訓練が必要
この記事は、株式会社まんまる笑店代表取締役社長、恩田聖敬氏(岐阜フットボールクラブ元社長)のブログ「ALSと共に生きる恩田聖敬のブログ」2021年11月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。