想定外のトラブルは成長のチャンス

昨日は、琉球アスティーダの早川周作社長にお声掛けいただき、沖縄アリーナでの講演に登壇しました。スポーツのイベントがメインなので、資産運用の講演に果たして人が集まるのか半信半疑でした。

しかし会場には想定以上のたくさんの方が集まり、しかも9割以上が私と初対面。貴重な機会となりました。

ところが、そんな大切な機会にも関わらず、パソコンの調子が悪く、投影用のスクリーンにスライドを出すことがどうしてもできません。結局セミナーの終了まで画面を全く使わずに説明をすることになりました。

20年以上人前で話していますが、初めての経験でした。

本番で想定外のトラブルが発生すると、パニックになりがちです。しかし、そのような時こそ講演者としての力量が問われます。

来場者を待たせる訳にもいかず、時間もないことから、スライド投影無しで、見切り発車しました。

会場の反応を見ると、スライドを使って説明できる細かい情報は口頭では無理だと判断。そこで、話をしながら内容を大幅に変更して簡素化しました。ポイントだけを絞りながら、何回も繰り返し基本だけを理解してもらう方法に切り替えて話を進める方式で乗り切りました。

トラブルでやってはいけないのは、講演者が動揺を見せることです。内心はどうしたものかとドキドキでしたが、トラブルを楽しむかのように、ユーモアのセンスを交えながら平静を装い進めていくようにしました。

予定していた内容は、全て伝えることができませんでしたが、逆にポイントが絞り込まれ、来場した人の理解度は高まったと思います。

講演で話す内容を本質的に理解していれば、このようなトラブルにも柔軟に対応することができます。できれば無いに越したことはないトラブルですが、成長させるチャンスとポジティブに捉えることにしました。

幸いにして会場の人たちの暖かい空気もあって、セミナーは無事に終わることができました。

その後インナーサークル資産設計実践会メンバー20人と軍用地の視察。夜は地元の方に紹介してもらった風情のあるお店で沖縄料理を楽しみました(写真)。

激しい一日が終わった後のオリオンビールが心に染みました。

adamkaz/iStock


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年12月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。