東京の湾岸マンションの異常な価格上昇

Yuzu2020/iStock

世の中には、さまざまな分野に「マニア」と呼ばれる専門家顔負けの情報や知識を持った素人(好きでやっている人)がいます。

例えば、金融の世界には投資信託ブロガーと呼ばれる人たちがいました。投資信託をネタにひたすら情報を深掘りし、そのレベルは運用会社の社員が参考にするくらいプロ顔負けです。

分譲マンションの世界にも、そんなマニアの人たちがたくさんいて、ブログやツイッターなどのSNSで情報発信しています。

そのような、サイトを見ていて最近驚いたのは、湾岸マンションの価格の急激な上昇です。

こちらのサイトは分譲マンションのブログとしては最も人気のあるその名も「マンションマニア」さんのブログです。

ブランズタワー豊洲という湾岸タワーマンションのキャンセル住戸の売り出し価格が出ていますが、異常な価格上昇になっています(画像をブログで見る)。

この物件は、売り出しの度に値上げをしているようです。今回のキャンセル物件の販売で最も値上がりしたのは、当初の販売価格13350万円(坪単価433万円)が、売り出し価格18850万円(坪単価611万円)。値上げ幅は5,500万円です。

この価格は、あくまで売り出し価格であり、実際に成約するかどうかが分かりません。しかし、不動産会社がキャンセル住戸として販売している物件ですから、周辺相場の分析に基づいているはずです。

こうなると気になるのが、2年前に私が購入した晴海フラッグです。ブランズ豊洲のような、あこぎな値上げをしていないので、実勢価格がどうなっているのか分かりにくいですが、坪単価では上昇しているはずです。

昭和のバブル時代を思い出させるような、湾岸マンションの急激な価格の上昇。さらなる価格上昇の可能性もありますが、金融政策の変化など、リスクも大きくなっていると感じています。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2022年1月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。