血税5億円を無駄にした「世田谷モデル」の大失敗に懲りず、年明けから4億円を浪費した無料検査キットのバラ撒きは、検査が滞っている医療現場などから猛反発を喰らい、駅頭で行列したのに貰えなかった人々からも大ブーイングが巻き起こり、散々な結果に終わったことは、すでに報告した(コチラ)。
さてさて、はたまた保坂区長がひらめいた次なる施策とは何か?
バスである。ただのバスではない、PCR検査専用のバスである。1日300人を検査できる優れもので、都内で初の試みだそうな。
ほほう。一見すると新味がありそうに思うが、そこは保坂区長、やはり本質は何ら変わっていない。
まず、いつものことながら、世田谷区民なら誰もが検査を受けられるというわけではない。区が発表した内容によると、対象者は「無症状の世田谷区民」がまず絶対条件である。やはり、無症状ですな。
そして、① バラ撒いた無料抗原検査キットで陽性疑いとなった人、② 都の無料PCR検査などで陽性疑いとなった人、③ 市販の抗原検査キットで陽性疑いとなった人、のいずれかである。該当する人は、まずコールセンターに電話して予約しなければならない。しかも保険適用で有料である。さらに、設置場所は上用賀公園の拡張用地なのだが、広い世田谷区。近隣の住民以外で、ここまで行く人は、果たしてどれくらいいるのだろうか。
保坂区長はMXテレビのインタビューで、この検査バスについて「ニーズは間違いなくある」と自信満々に答えているのだが、当方の調べでは1日の利用者は10人未満である。もちろん、区長はインタビューで明らかにしていない。
1億円の血税を散財しておきながら、1日10人も来ないとなると、さすがにまずいだろう。関係者の誰もがそう思ったに違いない。
後日、役所は慌てて対象者を拡大。① 陽性者が発生した保育園等の保育施設で、濃厚接触者となった無症状で区内在住者の園児および職員。② 陽性者が発生した高齢者・障害者施設で、濃厚接触者となった無症状で区内在住者の利用者および職員、の2つをしれっと追加した。
無症状者への検査は保坂区長の信仰である。だから、もう徒労とは分かっているし、何度も言ってきたせいで、口の中が酸っぱくて口内炎に沁みるのだが、必要なことは有症状者への検査である。なぜ対象者に含めないのか問う気力すらないが、あまりにも頑なである。
オミクロン株は高齢者施設で多く広がっているとのことだが、本当ならば、今こそ「世田谷モデル」を実施すべきだとすら思うのだが、もはや話はあべこべであり、我々の税金だけが浪費されていく。
気力を奮い起こして、続きは、本会議場で。