時間がないなら、やることではなく「やらないこと」を決める

KIRINJIが歌う「時間がない」という曲があります。作詞作曲をした堀込高樹さんが、50歳の誕生日の頃に作った楽曲のようです。

軽快なメロディーの中に、人生に対する焦りや哀愁を表現した歌詞に、ドキッとさせられます。

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私は、50歳を遥か昔に超えて、あと数年で還暦を迎えます。

最近、残された時間を意識することが多くなりました。人生のカウントダウンを考える。これは少し前にはなかった感情です。

例えば、ワインやウイスキーをまとめて購入すると「こんなに買っても、全部飲む事はあるのだろうか」と考えてしまう。旅行に出かけると「ここにまた来ることはあるのだろうか」などと思うようになりました。

時間が限定されてくれば、自分がやれることは限られてきます。

これまでは好奇心が強いせいもあって、自分が興味を持ったこと、やりたいと思うことは、何でもやらないと気が済まない性格でした。

例え、後から後悔するようなことがあっても、「人生に無駄なものなし」と良かったことも、悪かったことも、全て経験だとポジティブに捉えてきました。

そんな考え方も、そろそろ少し修正した方が良いかもしれません。

人生には、さまざまなステージがあります。とうやら、私は次のステージにシフトするタイミングを迎えたようです。

何かを諦めたり、手放したりするのは、勇気が必要です。しかし、キャパシティに限界があるのなら、何かを手に入れるためには、別のものを手放さなければならない。

人生の後半戦になればなるほど、欲張らない方が豊かな気持ちで過ごせるのです。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2022年3月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。