「好きなことをやっている職人」にはかなわない

渋谷にあるメガネの専門店を予約してもらい、連れて行ってもらいました。公園通りを少し入ったところにある眼鏡店らしからぬオシャレなディスプレイのお店です。

GLOBE SPECS(グローブスペックス)というお店のオーナーの中村さん(写真)は、ミラノの国際眼鏡展示会で2回も「世界一の眼鏡店」に選ばれている最高レベルの眼鏡の専門家です。現在は、渋谷と代官山、そして京都にお店を構えています。

中村さんの風貌とファッショナブルな店内を見て、フレームのデザインにこだわるお店かと思いました。意外なことに、最初に中村さん自らがマシンを使って視力検査をしてくれました。そして、メガネの度数に関してロジカルできめ細かいアドバイスをもらいました。私は乱視の状態が右目と左目で違っていて、矯正のやり方を間違えると目がとても疲れるらしいです。

視力矯正やフィッティングにこだわるのを不思議に思って後から調べてみると、もともと仕事をしていたのが金鳳堂やメガネのイワキといった老舗の眼鏡店。視力を回復させるという機能に強みを持つ堅い会社で仕事をしていた経験がベースになっているようです。

そして、ファッショナブルなフレームへのこだわりも、ただ者ではありませんでした。私の顔の形を観察し、職業や普段着ている服の色やカジュアル度などをヒアリングし、それに合ったフレームを売り場から選んでくれました。

6本ほどのフレームでしたが、どれもが顔のイメージにフィットしていて、違和感がありません。実際にかけてみてさらにチェックしてもらい、オススメの1本を選んでもらいました(写真)。

今かけている眼鏡は赤色のやや個性的なデザインですが、選んでもらったフレームは落ち着いたイメージでとても気に入りました。

帽子などのファッションアイテムも趣味で取り扱っていると話していた中村さんですが、メガネの話を始めると止まりません。1920年代のヴィンテージのメガネも取り扱っていると聞き、興味を持って質問をすると、実物をいくつか見せてくれて、実際にかけてみることもできました。

いつも思うことですが、中村さんのように「好きなことをしている職人」には、絶対に勝てません。好きなことを深掘りするのが楽しくてたまらないのですから、時間を忘れて没頭して、その分野のオンリーワンになっていきます。

オプティシャンとしての視力の矯正に関する専門的な深い知識と、欧米だけではなく日本も含めたデザイン力の高いメガネブランドへの幅広い情報と人脈。この2つを兼ね備えた素晴らしいお店でした。

新しいメガネができるのは2週間ほど先ですが、完成したら早速セミナーなどでかけてみようと思います。どんな風にイメージが変わるのか、今から出来上がりが楽しみです。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2022年3月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。