Web会議の質を上げる簡単な3つの方法

FG Trade/iStock

私は「コロナ禍」前から、ゲーム仲間少数で作ったグループ内で自分のゲームプレイ映像を配信する活動を行っていることから、Webでの映像配信を行う機材について若干の知識があり、いわゆる「コロナ禍」に入ってからWeb会議画質向上のアドバイスを行う機会が増えた。

しかし実際にアドバイスする中、趣味が高じてカメラにマイクどころかビデオスイッチャーの沼にまで嵌った私の意見は、自分でも一般オフィスワーカーにはハードルが高いなと感じる面が多かった。

そんな中で導入が簡単かつ機材のコスパも良い選択肢として、今や現代人の大半が携帯している小型・高性能のカメラ、スマートフォンを利用する方法が挙げられた。

個人単位ならスマホ1台に機材を接続するだけでWeb会議が完結するなら効率が良く、PCを用いて行う場合でもスマホを外部接続してWebカメラ代わりに使えれば、手軽に画質など改善でき魅力的な選択肢と考えられる。

此度記事ではスマホをカメラに利用してWeb会議の質を高める、簡単な機材を3つ紹介しようと思う。

ハンドヘルド三脚

ハンドヘルド(=handheld)三脚とは、その名の通り脚を閉じれば片手で握れる程度に小さく軽い三脚を指す。

話し手の顔が配信画面から見切れていたり、見下ろすような角度になっていたり、でもなってしまうと不快に思う会議相手もおり、会議を円滑に進めるにはカメラの角度を固定できる器具が必須だろう。

Manfrottto ミニ三脚+スマホホルダー

中でもこのハンドヘルド三脚は、持ち運びが楽かつ卓上に乗るサイズゆえに置き場所に困らないことに加え、箱のように簡単な土台で高さを簡単に調節できるメリットがある。

脚については通常の三脚から、弾性のある素材を使用しているものまで多岐に渡るが、共通しているのは卓上に乗る程度のサイズの三脚で、中央にスマホを挟んで固定するためのクランプが付いている点だろう。

高性能マイク

スマホやPCにもマイクは内蔵されているが、こういった内蔵マイクは音声が途切れることも多く、発信情報の多い会議中に内容を訊き返すことになれば、時間をロスする上に印象も悪くなりかねないため、マイクの性能確保は地味ながら重要だろう。

Web会議自体をPCで行う場合は、PCの方に大きめのマイクを接続する方が主流であるが、最近のPCは軽量と引き換えにUSBポート数が少ないものも多くこれができない例もある。

ここではスマホのみでWeb会議を行う例も踏まえ、スマホの方にマイクを接続する方法を挙げようと思う。

1つは小型の単一指向性マイクをスマホに直接接続する方法だ。昨今はRODEやShureといった有名な音響メーカーが、スマホやデジカメに装着するための小型コンデンサーマイクを提供しており、それらをそのまま接続する単純なものである。

もう1つは音響機器を接続するオーディオインターフェイスと呼ばれる機械を介する方法だ。こちらはマイクと別に導入が必要になる(決して安価ではない)が、大きめのマイクや楽器などが接続できるなど映像・音声配信の自由度が高まるのがメリットである。

お手軽さが人気のオーディオインターフェイス
YAMAHA AG03MK2

LEDライト

動画の立体感やノイズ抑制を担保するには適切な照明が必要不可欠であり、これが不十分では数十万円のカメラでも残念な画質になってしまう。

逆に言うと適切な照明、Web会議の場なら十分な光量源を確保することで、スマホだけでもノイズが少なくくっきりした画質を得ることができる。

こちらもマイク同様、デスクを使う場合には別途大きな照明スタンドを設置する方が効果的ではあるが、場所や電源が必要になるためここでは単体で光量を確保する方法を挙げようと思う。

とはいえこれも単純で、スマホに接続できる小型のLEDライトが昨今安価で提供されているため、それをそのまま接続するだけでいい。

WEBカメラ用LEDライト付きスタンドCMS-STN2BK
サンワサプライ

撮影スタジオなどで見られるような四角いものから、スマホの周囲を囲むリング型ライトなど様々な形状の商品があるので、家電量販店のホットモックを触るなどして光量と取り回しのバランスを探すのが良いだろう。

なお近年はマイクの項で述べた音響メーカーがスマホ用「撮影キット」を謳う商品を出している例も多いが、これは上記機材を抱き合わせ販売しているものと考えていただければ良い。

RODE Vlogger Kit Universal

ハンドヘルド三脚のクランプ部分にマウントを設けることで、マイクもしくはライト(あるいは両方)と一体化し、スマホをちょっと本格的な小型撮影キットに早変わりさせるコンセプトである。

Web会議をもう少し高画質にしたいが、カメラやスイッチャーのような機材はわからないし高い…という方は、手持ちのスマホとこれら最低限の機材を用いたテクニックでカバーする方法をお試しいただきたい。

なおスマホをPCに外部接続する場合は、接続されたスマホをPC側がWebカメラとして認識するアプリが必要となるため、そのインストールを忘れないようにしよう。