日経新聞が教えてくれた「株式投資で損をしない方法」

株式市場の軟調な相場が続いています。アメリカ株は今週も下落を続け、昨日も年初来安値を更新しました。

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昨年までは、GAFAに代表されるアメリカのテクノロジー株に投資をするのが日本の個人投資家の間でもブームでしたが、一転してアメリカ株から撤退する個人投資家が増えています。

私はこのような時こそ、投資をやめてしまうのではなく、積み立て投資で続けることが重要だと思っています。

日本経済新聞編集委員の田村正之さんが書いている記事は、その考え方に勇気を与えてくれます(図表を元記事で見る)。

図表は、1970年2月から2022年3月までという50年以上の先進国株式インデックスのデータを使い、その中の20年間を取り出して、リターンがどのようになったかを検証したものです(使ったデータは、世界先進国株指数(MSCI WORLD、配当込み、円ベース))。

最も成績が良かった期間は、1978年8月から1998年7月までの20年間で運用リターンは年率13.4%。逆に最も悪かったのは、1989年2月から2009年1月までで年率2.8%です。そして、平均すると年率7.3%という結果になりました。

これが意味するのは、先進国株式インデックスを20年間保有していれば、過去は一度もマイナスにならなかったということです。最悪のタイミングで始めたとしても、年率3%程度のリターンが得られたというのは驚異的です。

積立で投資をするのは、どこが相場の底で、どこが頂点なのかは誰にもわからないからです。タイミングを考えない投資の方が、高値掴みになるリスクを減らし、大きな失敗を防止できます。これは過去の経験則からの実感です。

株価が下落しているからといって、投資をやめて株式市場から撤退するべきではありません。

むしろ、株価が下落しているからこそ、株式投資をすべきです。日本経済新聞が教えてくれた株式投資で損をしない方法は「世界株式のインデックスファンドの積立投資を20年の長期で実践する」ことです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2022年5月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。