世界の資産運用フェアで感じた個人投資家の「3つの不安」

昨日は第16回世界の資産運用フェアが東京国際フォーラムで開催されました。参加してくれたスタッフ(写真)のチームワークも最高で、私もモデレーターとして安心して、登壇することができました。

会場の115名のお席は90%以上の高い出席率。オンラインでも300名以上の方がお申し込みいただき、資産運用に対する関心の高さを実感しました。このフェアは半年毎に開催していますが、前回よりも会場参加希望者が増えており、満席になってからも事務局に問い合わせが多数入りました。

残念ながら会場のキャパシティーの問題で、今の場所では、これ以上定員を増やすことができません。

関心が高まっている背景には、インフレが大きく影響しています。

デフレの環境下では、何もしなくても資産は守ることができました。しかし、インフレになれば、物価上昇分、自分の資産は目減りしていきます。日本でも年率4%近い消費者物価上昇となり、何もしなければ自分の資産は目減りすることになります。資産100万円の人は、何もしなければ1年後に実質的に資産96万円になってしまう訳です。

2つ目の不安は、株式相場の先行きに対する懸念です。2022年は成長株を中心に株価が世界的に下落しました。株式投資のリスクが改めて意識されるようになり、不動産のような株式以外の投資対象に分散させることを考える投資家が増えているのです。

さらに円安は一段落したものの、引き続き為替リスクを心配する投資家が多く、直近の円高局面を外貨資産を増やすチャンスと考えている人もいました。

外貨資産を増やそうにも、何に投資して良いのかわからない。具体的な投資対象を真剣に探している人も目立ちました。

インフレ、株安、円安という「3つの不安」が、個人投資家の意識を急速に変えているのです。

世界の資産運用フェアは来年6月17日に第17回を開催する予定です。お金の不安を解消したい人は今からスケジュールを空けておいてください。

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編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2022年11月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。