日銀がYCC(長短金利操作)で上限を0.5%に維持していた10年物国債の金利が、きょう未明から急上昇(価格は急落)し、一時は0.55%になりました。
これは約7年7ヶ月ぶりの高水準です。国債価格でみると、日本時間の深夜0時(アメリカ東部時間10時)ごろから急落しています。外資系ファンドが日本国債を大量に空売りしているためと思われます。
日銀は昨年12月にYCCの上限を0.5%に上げたばかりですが、消費者物価上昇率が4%になるなど、日本もインフレになり、17日からの金融政策決定会合で上限が0.75%に修正されるとの観測が強まっています。
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日銀の国債買い入れ額も史上最大です。投機筋が0.5%で空売りした国債を0.75%で買い戻すと、価格は下がっているので0.25%分の利益を出せるわけです。
利上げ観測で、円も上がって120円台になりました。これはアメリカの物価上昇が減速し、FRBの利上げが0.25%ポイントにとどまって日米の金利差が縮まるとみられるためです。
円高を受けて日経平均株価は300円安ですが、利上げ観測で銀行株は上昇。
日銀が長期金利に介入するYCCは変則的な政策で、このように投機筋のターゲットになり、海外ファンドがもうけるだけです。もうインフレ目標2%も超えたので、YCCはやめるときです。ただ急に上限を撤廃すると混乱するので、徐々に上限を上げて実勢に近づけるべきだと思います。