正直、「またか」という言葉が突いて出る。世田谷区の認可保育園で起きた虐待事件。
これまで世田谷区では、認可保育園での虐待事件が度々起こって来た。ひえしまもこの問題を議会で取り上げたし、保育園にまつわるトラブルは、相談が寄せられるごとに、所管とやり取りもしてきた。その都度、再発防止策を講じ、園児のプライバシーに配慮しながら、できる限り速やかに事件の内容を公表するよう求めてもきた。しかし、これらから何の教訓も得ず、またもや議会に報告することもせず、隠し続けようとするその根性は誠に卑しい。
保育行政については、はっきり言って闇の部分が多い。まず、保育士の労働環境の悪さが、園児への虐待につながっているとする説はよく聞かれるが、だからといって何ら免罪されない。そもそも、保育の世界に体罰を容認する文化があると証言した保育士もいて、大人の言うことを聞かない子どもに、手を上げやすい環境があるという指摘もある。
もちろん、保育士自身のストレスを慮る必要はある。一人で悩みも抱えがちだろう。保育士のための相談窓口の充実・強化も当然のことながら必要だ。それはそれとして、これまで、私が相談を受けてきて思うのは、ほとんど園の環境というものは、園長の善し悪し次第ということだ。立派な人からろくでもない者までいるのが実際だが、園長の指導者教育というのは、意外なほど語られない。役所もどういうわけか、気を遣う素振りすら感じる。
区内の保育園で起きた事件は、全域の保育園で情報共有されている、と役所は言うのだが、だったらナゼ繰り返されるのか、ということまでは考えていない。そもそも保坂区長に子どもへの関心が薄い。それが最大の問題であるが、まず世田谷区の保育行政に必要なのは、園児や保護者に何か言う前に、園長への教育である。