やってはいけない!空き巣に狙われるゴミの捨て方

黒坂 岳央

黒坂岳央です。

ゴミ清掃芸人として有名なマシンガンズの滝沢氏のツイートが話題だ。「空き巣に狙われやすいゴミの捨て方がある」というものである。

全国強盗事件が世を賑わせている昨今、近年稀に見るセキュリティ意識の高まりの中でのツイートだったこともあってか、大きな反響を呼んでいる。このツイートから学べることは少なくない。個人的に思うことを述べたい。

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空き巣は必ず下見をする

日本最大手の防犯、セキュリティ企業のセコムが掲載したこの記事によると「空き巣はランダムに侵入するのではなく、必ず下見をした上で来る」といっている。住人が不在にするタイミングや、住居内に金目のものを持っているかを確認するのだという。実際、SNSで検索すれば防犯カメラに、何度も入念に下見をする犯人の姿がアップされていたりする。

これは空き巣側の立場になって考えればよく分かる話だ。捕まるつもりで入る空き巣はいない。できれば捕まらずに金品を強奪して逃げおおせたいという力学が働く。

滝沢氏のツイートによると銀行の明細やレシートをまとめて捨てることは、日常の生活情報を空き巣に与えてしまうリスクがあるのだという。たしかにそうだ。たとえば銀行の口座残高に1億円と記載されている場合、同じ捕まるリスクを負うなら他の家ではなくその家を狙いたいと思うものである。また、コンビニやスーパーでの買い物のレシートを集めて点と点を繋げば、不在のタイミングが浮かび上がってくるだろう。

「空き巣は下見をする」と考えるなら、招かれざる客を呼ばないためにも生活情報につながるデータはできるだけ出さない方が良いだろう。

個人情報は自らの意思で守る時代へ

「近頃は物騒になった」など昭和の老人のようなことは言いたくないが、情報化社会が進む現代において犯罪を誘発する個人情報はできるだけ自分の意思で守る必要はあるだろう。

SNSではお金持ちアピールをしたり、リアルの人間関係でも自慢話をしてしまう人がいるが、これはもう止めた方がいい。以前に「自分は一億円を持っている」と自慢した男性が、命を奪われた事件やスポーツジムで仮想通貨の話をした人が拉致されて資産を強奪されたという事件があった。

さらに件の全国強盗事件についていえば「資産家リスト」なる情報が流出していたのでは?と疑わせるような証言も見られ、おいそれと自分の資産や所得を答えてしまうことは文字通り命取りになる可能性は否定できない。

本稿で取り上げた「銀行の口座残高明細」や「レシート」についていえば、前者は「印字しない」を選ぶようにして、レシートはシュレッダーを入れて捨てるべきだろう。

「そんな窮屈な思いまでしたくはない」と思われるかもしれない。実際、日本は世界屈指の平和な国家である。しかし平和であることに慣れすぎているために、諸外国から見れば、やや平和ボケしている感がある点は否めないだろう。

日常生活を送る上でのセキュリティ意識は、もう少し注意しても高めすぎとは言えないのではないだろうか。日本は平和で犯罪に遭う確率が低いと言っても、セキュリティ不注意で被害に遭えば甚大なダメージを負ってしまう。やはり、いつの時代でも自分の身は自分で守るべきなのだ。

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。