どんどんショボくなっていく航空会社ラウンジのサービス

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国内旅行に出かけるために羽田空港にやってきました。いつも愛用している赤い航空会社の国内ラウンジを久しぶりに利用したのですが、コスト削減のためなのか、何とも味気ないサービスになっていました。

飲み物はコーヒーなどのソフトドリンクが中心。アルコールはビールとサントリーロイヤルしかありません。

食事も全く無くなって、ハッピーターンなどのスナック菓子が言い訳程度に置いてあるだけでした(写真)。思わず、朝からビールを二杯も飲んでしまいました(笑)。

このラウンジは、利用状況に応じてステイタスを一度獲得すれば、永久に維持できる仕組みになっています。

例えば、現役時代に出張で利用してステイタスを獲得しておけば、シニアになってリタイアしてから年に一回エコノミークラスで搭乗しても、死ぬまでずっと利用が可能です。

そんな利用者の数が増えすぎてしまい、コストを賄うだけの収益が得られなくなっているのだと想像します。

解決策としては、低収益な顧客は利用できないようにすることです。でも、今まで維持できたステイタスをいきなりルール変更すれば、かなりのクレームになる事は目に見えています。

その結果、このようなサービス低下で対応せざるを得なくなるのです。

ラウンジには、もうワンランク上のファーストクラスラウンジもあります。こちらは永久ステイタスではないので、優良顧客だけを選別できます。

儲からない一般ラウンジはショボくして、儲かるファーストクラスラウンジはゴージャスにする。そんな傾向がこれから益々強まっていくのではないかと思います。

という訳で、これからフライトです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年4月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。