千葉5区の補欠選挙に自民党から立候補していえりアルフィヤ候補。両親がウイグル出身で、アメリカの大学で学び、日本に帰化したという複雑な経歴ですが、これを民族差別のネタに使う人が絶えません。
「二重国籍」ということはありえない。民進党の代表だった蓮舫さんは台湾国籍を抜かないまま日本国籍を取り、「帰化した」と勘違いして二重国籍のまま参議院選挙に立候補し、選挙公報にも「帰化した日本人」と書きました。
これをアゴラが追及して大問題となり、最後は蓮舫さんも二重国籍だったことを認めて民進党の代表を辞任しました。
二重国籍は違法ですが、日本には50万人以上の二重国籍の外国人が住んでおり、大した問題ではありません。しかし選挙で「帰化した日本人」と自称するのは、国籍詐称で公職選挙法違反です。
この問題のあと、自民党では立候補の届け出に際して戸籍謄本の提出を求めて国籍を確認しているので、アルフィヤさんが二重国籍ということはありえない。
もっとひどいのは百田尚樹さん。アルフィヤさんの中国名の字は日本にないので、二重国籍ではないかと憶測だけで話している。
これについては、アルフィヤさん自身が説明しています。
両親はウイグル出身で平成11年に帰化した日本人。私も生まれた時は外国籍でしたが、日本で生まれ、日本に育てられた、日本人です。
私は生まれた時に、ウイグル語でArfiye(アルフィヤ)と名付けられました。近代ウイグル語は、公式にはアラビア文字で表記されます。
但し、ウイグル自治区で生まれたウイグル人(そして、私のようにその外で生まれても生まれた国の法律によりその国の国籍とならない場合)は、中国籍となるため、中国語(漢字)で名前を登録しなければなりません。
私、Arfiye(アルフィヤ)は、阿丽菲亚(アリフェヤー)となりました。生まれた時に「阿丽菲亚」と漢字で登録されたため、日本に帰化した時も、そのまま戸籍の名前はカタカナで「アリフェヤー」となりました。
つまり戸籍上の名前は英利アリフェヤーです。これは選管に登録した「えりアルフィア」とまぎらわしいため、非公表にしたのでしょう。選管が受け付けたのだから適法で、本名はこうしてブログで公表しているのだから、秘密でもありません。
ところがこうして本人が事情を明かしているのに「中国の工作員だ」などのデマが絶えない。そもそもウイグルが中国だという前提もあやしい。
アルフィヤさんが(昨年の参院選で)選択的夫婦別姓の容認などリベラルな政策を発表し、河野太郎さんが推薦していることがネトウヨの気に入らないようですが、それは民族差別とは別の問題。選挙期間中に違法行為があったかのようなデマを流すのは、選挙違反です。