改めるべき日本の韓国に対する認識:安倍元首相のお株を奪うような大活躍

日本はゴールデンウィークに突入、コロナからの解放感もあり、例年以上の賑わいとなるのでしょう。外国人の日本観光にも引き続き強い引き合い。知り合い夫婦が初めての日本2週間観光から戻ってきてとても満足したと嬉しそうに連絡をいただきました。とはいっても休んでいるのは日本だけ。世界は動いていますので時にはニュースをチェックして状況の変化対応には気を付けて頂きながら楽しんでいただきたいと思います。

では今週のつぶやきをお送りします。

日銀植田総裁、第一印象

日銀の金融政策決定会合で植田総裁が初めて指揮を執りました。事前には様々な憶測が飛び交っていましたが、結論的には大規模緩和の継続と共に過去の日銀の金融政策の多角的レビューを1-1.5年かけて行うこととしました。可能性が指摘されていたYCCの変更もありませんでした。大規模緩和発表後、東京市場は安ど感が出たせいか、日経平均は約400円高と後場に更に上伸し、昨年8月以来の水準となっています。

私の第一印象ですが、植田総裁は「判断が遅い」かもしれません。まず多角的レビュー、それも過去25年程度遡った日銀政策の検証とのことで、いかにも学者好みのプロセスです。これを今やるということは今までは何だったのか、日銀の政策会合は過去の検証なしに行われていたのか、という疑念は当然出ます。学者は事実の検証を実施したうえで論理思考をもって判断するのが流れですが、過去25年の日本経済は日銀の果たした役割より政府の判断、更には日本人の判断基準の変化や社会構造の変化による影響が大きいと思われ、日銀の政策だけ見てもそれは判断を見誤るかもしれません。

一方で昨日の記者会見での発言はあいまいさが出ています。「もう少し辛抱して、金融緩和を続けたいのが正直な気持ち」「(金融政策の変更について)待つことのコストは大きくない」「(消費者物価指数の上昇具合に対して)まだちょっと自信の度合いが低い」(日経より)など非常に感性的な表現が多く見られます。パウエル議長の記者会見ではこんな発言はしません。ユルユルの発言をすれば記者から突っ込まれるわけでこの辺りは植田氏が自己改革し改善して頂くしかないと思います。

考えた方がいい日本の韓国に対する認識

尹錫悦(ユン ソクヨル)大統領は外交関係を積極的に展開しています。大統領選挙時から就任後を含め韓国世論を大きく二分した尹大統領の評価ですが、外交を中心に着実にポイントをゲットしています。私が長く韓国近代史を見ている中では歴史に残る人物になる気がします。今週アメリカを公式訪問した際、バイデン大統領との夜会では一定年齢のアメリカ人なら誰でも知っている「アメリカン パイ」をアカペラで披露、参加者を沸かせました。

26日の会合では「ワシントン宣言」を、またアメリカ議会での演説など安倍元首相のお株を奪うような大活躍で極めて大きな成果を得たとみています。日本は28日に韓国を「ホワイト国」に再指定し、尹大統領の熱烈ラブコールに受け身の状態となっています。産経は岸田首相が5月上旬、韓国を訪問し、本格的なシャトル外交を実施するのでは、と報じ、5月19日からのサミットには尹大統領も参加する手はずとなっています。

韓国国内でもたぶん、尹大統領の評価は確実に上がってくるはずで、保守派が主導する韓国が少なくとも当面は続くとみています。一方、北朝鮮はこれが面白くないはずでより挑発の度合いを高めると思いますが、バイデン大統領は尹大統領との共同記者会見で、北朝鮮が核攻撃を行えば「政権の終末を招く」と厳しい表現を使いました。これには金正恩氏も金与正氏もビビるでしょう。岸田首相の「強く抗議をする」ではダメなのです。「君たちは終わる!」という強い姿勢は韓国を奮い立たせるでしょう。日本が韓国のフォロワーにならないよう今後、どう付き合い、リードすべきか考えるべきです。

国賓として迎えられた尹錫悦大統領と歓待するバイデン大統領 バイデン大統領SNSより

歌舞伎町のジェンダーレス トイレ 大炎上の件

昔「ミラノ座」という映画館があった歌舞伎町の一等地に東急が48階建てのビルを開発、今月お披露目となったのですが、そのトレイが物議を醸しているようです。いわゆるジェンダーレス トイレです。男性の小用エリアを除き、個室は男女同じ一角にあるのが女性から大不評だという訳です。女性にとってトイレは用を足すだけではなく化粧を直したりいろいろチェック機能をもった場所なのでなぜそんなところに男がいるのか、という訳です。

当地ではジェンダーレス トイレはかなり増えています。トイレのエリアに行けばドアには男と女のマークがあり要は誰でも入れる形になっています。昔、知り合いのカナダ人女性が「男が入ったトイレは絶対嫌だ」と剣幕だった理由は男は「しずく」を飛ばすので汚いと。しかしそんな声も今やかき消されそうです。ただ、報道を見る限り、歌舞伎町のビルと当地のジェンダーレス トレイではコンセプトが違うような気がします。つまり、トイレは用を足すところと考えるのか、パウダールームのコンセプトを一部兼ねているようにするのかという違いです。

私は現地をまだ見ていませんのであまり強いことは言えませんが、開発事業者がジェンダーフリーにこだわり過ぎた取り違えミスかもしれません。例えば当地のトイレには個室の中に洗面所と鏡があり、そこでパウダー需要は満たすことができるのです。作りもトイレというより部屋です。だけど、歌舞伎町のトイレは洗面所が外にあるようです。それが最大のミスでしょう。簡単には直せないと思いますが、この担当者はお灸ものかもしれません。実に残念なエラーだと思います。

後記
以前、顧客だったイラン人のマダムから突然電話。「ひろさん、私、今住んでいるコンドミニアムを売ることにしたの。日本人は経済的に成功しているからひろさんのお知り合いの方でどなたか買って下さらないかしら?」。私はマダムとその住宅のロビーの応接間で何度も会っているので建物の場所は知っていますが、部屋は知りません。「お役に立てればとは思いますが、おいくらぐらいの部屋でしょうか?」「26億5千万円(1カナダ㌦100円換算)よ。いい部屋よ!」と。「日本人の金持ちにはキャッシュリッチは少ないですよ」と思わず口に出そうになりました。そう、確かにバンクーバーの3大金持ちは中国系、インド系、イラン系です。しかし、高すぎですよ、そんなの。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年4月29日の記事より転載させていただきました。

会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。