ポケモンカードゲームが価格高騰している理由

インナーサークル資産設計実践会の月例会にトレーディングカードゲーム業界25年の専門家に登壇してもらいました。

トレーディングカードゲームとは、トレーディングカードとしての収集性とカードゲームとしてのゲーム性が融合した商品です。その中でも、人気の中心はポケモンカードゲームです。

昨年、私が購入したポケモンカードゲーム(こちらのブログにも書きました)ですが、可愛いキャラクターが気に入って購入した「がんばリーリエ」(写真)の評価価格が1年で3.4倍となって、100万円を超える価格に跳ね上がっています。

このカードに限らず、今まで購入したポケモンカードが軒並み数倍に値上がりしています。

その背景には様々な理由が考えられます。

まず、コロナ渦で外出する人が減って、ネットの利用時間が増え、SNSによる拡散でポケモンカードゲームの認知度がアップしたことです。

例えば、ユーチューバーのHIKAKINさんが5,000万円のカードを購入したり、アメリカのプロレスラーローガンポール氏が日本円で7億円以上という世界最高価格としてギネス認定されたポケモンカードを首からぶら下げて登場したりと、露出が増えています。

また、トレーディングカードゲームには、PSAと呼ばれる10段階の鑑定システムがあります。これが広がったことでクオリティが担保されるようになり、客観的な価値評価ができやすくなり、取引の安心感が高まりました。

そして、世界的なインフレの顕在化によって、希少性のある実物資産に資金が集まっていることも、価格上昇要因としてありそうです。

価格が急上昇するにつれ、偽物も増えています。また、メルカリなどのECサイトでは「レプリカ」という注記を付けた商品が出品されているようですが、要するにフェイクです。資産としての価値はありません。

偽物をつかまされたり、法外な価格で買わされたりしないためには、信頼できる業界の専門家に相談してから購入すべきです。

まだこれからも価格上昇が続きそうなポケモンカードゲーム。私も更に買い増ししていこうと思っています。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年6月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。