河野太郎消費者相が、20日の閣議後記者会見で、大手電力会社の送配電部門を売却して別会社にする所有権分離について「諸外国でできるものがわが国では導入困難というならば、明確な説明が必要だ」とのべました。
これはこの日、閣議決定された規制改革実施計画で、所有権分離の「必要性や妥当性、長所・短所を含めて検討する」と明記されたことを受けたものですが、西村経産相は慎重派。
地味なテーマですが、ネット上では河野大臣への批判が続出。
再エネ万歳の河野大臣が「正義の味方」になりたいという動機はよくわかりますが、世界的に完全分離はほとんど成功したことがない。
そもそも分離してどんなメリットがあるんでしょうか。
通信自由化は成功しましたが、それはITがムーアの法則で爆発的に進歩して、多様なイノベーションが生まれたから。電力にムーアの法則はなく、いかに安定した電力を安く供給するかという目的しかありません。
そんな中で所有権分離したら、大手電力はもう火力や原子力には設備投資しなくなるでしょう。新電力のようなフリーライダーを許すと、投資不足で電力インフラがボロボロになるというのが、河野大臣のいう「諸外国」の教訓です。