初めて経験した「旅行用スーツケース完売」

コロナウイルスによる各国の渡航規制が今年に入って次々と緩和されたことにより、旅行需要が急回復しています。

最近は、東京の街を歩いていても、日本語よりも外国語の方がよく聞こえると言っても過言ではありません。

それも英語だけではなく、アジア系の言語や、聞いたことがない言葉だったりします。

日本に来た観光客は円安で大きなメリットを受け、割安になった商品を大量に購入しているようです。日本人がそのとばっちりを受けるようになってきたと感じる出来事がありました。

旅行用のスーツケースを購入しようと思い、銀座のリモワに出かけました。スーツケースの代表的なブランドです。

今回は、飛行機の機内に持ち込める小さなサイズを買おうと思ったのですが、ポリカーボネート製の軽いものは、何と全色完売していました。

アルミニウム製の在庫は少しだけあるとのことで取り置きしてもらい、夕方に購入手続きに出かけました。するとその時に、こちらも夕方までに全て在庫がなくなったと店頭のスタッフから聞かされました。

東京にある他の店舗にも電話してみましたが、状況は同じです。

スーツケースが売り切れているというのは、はじめての経験でした。

すぐに在庫が充填されるのかもしれませんが、外国人旅行者が大量に購入しているのが原因ではないかと思っています。

世界各国でグローバルに販売されているこのような商品は、為替の変動によって価格に一時的に割安感が出るケースがあります。今の日本はまさにそのようなタイミングになっているのかもしれません。

需給関係のバランスが崩れているのは、スーツケースだけではありません。

飛行機の運賃やホテルの料金も軒並み値上がりするだけではなく、予約が取りにくくなってきています。

これから夏休みになって、日本人観光客も動き始めると、日本国内の観光需要がさらに高まります。

夏のハイシーズンの日本の観光地はどうなってしまうのか?なるべく有名観光地には出かけないようにしようと思います。このような状況は、行動制限の反動によって発生する短期的な異常事態だと思いますが、需要爆発が早く収まって欲しいと思います。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年6月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。