SNSを使うべきでない人の特徴

黒坂岳央です。

仕事柄、情報収集と趣味で複数のSNSを実名、匿名で使い分けている。SNSは上手に使えば世界中の情報をリアルタイムで入手できる便利なツールだが、使い方を間違えると無用な嫉妬や対人トラブル、不安を生み出す不幸の発生装置に成り下がってしまう。そして多くの場合はネガティブな作用を受けつつも、それをやめられず使い続けてしまう人は少なくないと思っている。

自分自身もSNSを使っていて「この先は不幸になる」という予兆を感じたら即撤退するなど、とにかく情報の精神汚染に気をつけている。

SNSを使うとかえって不幸になってしまう人の特徴の分類に挑戦してみたい。

recep-bg/iStock

1. すぐ他人と比較する

他人との比較は世の中でもっともムダな行為の1つでメリットは皆無、デメリットしかない。比較しないと自分の思考や意思決定に自信が持てず、常に誰かと比較をして劣っている自分を認識してさらに落ち込むという負のスパイラルに陥りやすい人は、絶対にSNSを使わない方がいいだろう。

リアルの世界なら自分の等身大の挑戦の成功、たとえば目標にしていた資格試験の合格を祝ってもらえたならすんなり受け入れられる人でも、SNSを使わせるとたちどころに自分に近しい属性の持ち主かつより高次の結果を出した人を見つけ出してすぐ比較してしまう。そうなると何をやっても不幸に浸り続けることになる。実際、こうやって主体的に自分の自信をせっせとつぶし続けるようにSNSを使う人はいるのだ。

人と比較するのはムダな行為だといっても止めるのは難しいかもしれないが、SNSをアンインストールして使用をやめられる可能性は残されている。

2. 情報を鵜呑みにする

次は情報を鵜呑みにするタイプだ。このタイプもSNSは薬より毒になる可能性が高い。「自分は大丈夫」というタイプでも、信用のおける人物の言う話なら無批判でありのまま受け入れ、自分の思考を介さないで意思決定をしてしまうなら、それは要注意である。

まずどれだけ影響力があっても、専門知識が豊富でも、経歴が長くても世の中に間違わない人間はただ一人も存在しない。ある時は正しい回答を出せても、条件が違えば間違えてしまうことだってある。優れた医師でも見逃す可能性はゼロではないのだ。だから自分にとって好ましい話を聞いたとしてもそのまま鵜呑みにしてはいけないのだ。もちろん、筆者もそれは同じだ。

自分自身がやっていることは必ず反対意見を探してみることである。「このサプリがいいらしい」と言われてすぐに買ってしまったり、サプリを肯定するアフィリエイトリンクがベタベタ貼られた「作られた口コミ」を信用して背中を押されてしまうのではなく、逆に良くない意見も集めて総合的に判断する。もしくはそうした意見を一切みず、リスクを取って自分の判断力を鍛える経験にしてもいい。

とにかく自分にとって都合の良い情報を偏重的に集めるような使い方をしても、知らない内に買わされる方向へ誘引されるだけの情報収集でしかなくたいていリスクを回避したいという意図とは逆の結果が待っている。

3. ネガティブに影響されやすい

最後にネガティブなニュースや話題に影響されやすすぎる人である。

SNSでは悲観的で胸糞悪いニュースが積極的に拡散される。その様子を見ていると、人々は皆怒りに打ち震えていたり、涙を流したり、時にはケンカをはじめてしまったりする。「悲しくて昨日は眠れなかった」といったコメントが見られることがある。

正直言ってネガティブなニュースはできるだけ入れないほうがいいと思っている。カタルシス、ペシミスティックな思想に浸りたい感性の持ち主なら止めはしないが、一般論でいえばネガティブなニュースを聞いたところで心が萎えたり意欲が衰えたり怒りを感じたりとあまりメリットはない。

筆者は数あるニュースの中でも子供が悲劇的な目に遭う話題は受け入れがたい苦痛を覚えるので、絶対に見ないように気をつけている。だが、それでもフィルタリング機能が思うように働かず偶然目にしてしまうことはあるので困ってしまう。ネガティブニュースで気持ちがすぐ暗黒に染まる気質でノーフィルタリング状態でSNSを使用している人は、もしかしたらSNSは情報収集のツールと言うより前向きな意欲を吸い取られるツールとして機能している可能性を疑ってもいいかもしれない。

以上3つの特徴である。SNSを積極使用して一切の悪影響を受けないのはかなり難しいと思っている。情報収集ツールとして優れている一方で、デメリットも少なからずある。冷静にメリット、デメリットを天秤にかけて後者の存在を大きく感じたら、思い切ってアンインストールしてみると閉塞感を感じていた世界に新鮮な酸素が戻ってくる感覚になるかもしれない。

 

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。