つまらない人生を楽しくする3つの方法

黒坂岳央です。

「人生は楽しい?つまらない?」

これほど人によって答えが分かれる質問はないだろう。同じ人物に質問をしても、聞いた時の年代や立場などで答えは変わってしまう。

よく言われることの一つに「中年期以降は人生がつまらないと感じる」という話だ。これは中年の危機(midlife crisis)などと呼ばれ、同じ仕事や生活の繰り返しに飽き、体力も衰えて亡くなる親族も増加、蓄財が進んでも気持ちよく消費できる対象に困るなど悲観的な思考に染まることから来るとされる。

自分自身「飽き」にはあまり耐性がなく、つまらない生活に苦しんでいた時期がいくつもあったが、今では飽きを克服し人生を楽しくするコツのようなものを得たという感覚がある。持論を取り上げたい。

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リスクを取る

まず、なんといってもリスクを取ることである。といっても、人生を破滅させるようなものや、不健全なリスクは回避するべきなのは言うまでもない。ここでいうリスクとはあくまでコントローラブルかつ、論理的にリワードレシオに優れる「価値のあるリスク」に限定される。

たとえば収入を得てある程度手元に資金があるなら、思い切って使ってしまうのだ。資産運用でリスク資産に投じたり、ビジネスで事業投資をするのだ。ファーストクラスで海外旅行にでかけたり、身の丈に合わない高級ホテルやレストランを利用するという非日常を体験するのでもいい。とにかく身銭を切るのである。

「リターンはいいけど、失敗して損をしたくない」という反論があるが、これは明確に誤りだ。リターンを狙ってリスクを取る以上、むしろうまくいかない時は逃げずにダメージを正面から全力で受けるべきである。ギャンブルが楽しいのは、失敗したら手痛いダメージを受けるからである。とてつもなく痛いからこそ夢中に、真剣に、全身の細胞が活性化するほどにフルコミットする。そしてリターンの果実を得られたならばとてつもない多幸感に包まれるのである。

人生がつまらないと感じた時、思い切ってリスクを取ればいい。その瞬間から、血液が煮えたぎり、目はギラつくような時間が降臨する。あくまで健全性の粋を超えない範囲で、時にそんな夢中になるような時間を楽しむのもいいだろう。

受け身な生き方をやめる

次は受け身、受動的な生き方をやめるというものである。ここでハッキリとお断りしておくが筆者は特段、受け身な生き方を批判する意図はない。そんなライフスタイルが合うならそのまま生きればいい。これはあくまでイチ意見にすぎない。

自分自身がかつてとても受け身な人物だったのでえらそうなことはいえないが、今では完全に受け身はやめた。なぜなら受け身で辛い経験を数多くしてきたからである。仕事の先輩で「オレがビジネスでお前の人生を引っ張り上げてやるから待っててくれ」と言われて、1年半待ち続けたが結局、その人物は自分に何もしなかった。また、アルバイトで社員から言われた仕事を効率が悪くても、内容に誤りがあっても、とにかく言われたとおりにするしかないストレスに耐えることもあった。

受け身で生きるということは、自分の手で人生をコントロールしていない感覚を覚えることも少なくない。しかし、自分の人生を一番真剣に考え、幸せに導くことができるのは自分自身以外にいないのだ。この本質に向き合えば、やはり自分の人生は他の人の決断に委ねず、全部自分で意思決定していく方が楽しいと思うのだ。

ストレス要素を削除する

最後にストレス要素を削除することだ。といっても、適度な仕事のプレッシャーなどは人生には絶対に必要なので、ここで言うストレスとは代替プランが存在し、ストレスのデメリットがメリットを大きく上回る場合に限定したい。

たとえば人間関係で一緒にいて苦痛しか感じない人がいるなら、その人と距離を取ってしまえばいい。「お前は会社員でないからそのようなことが言えるのだ」と反論があるかもしれないが、それは違う。会社員であっても自分のレベルを高めることで、より周囲の人間レベルが高い環境に行くことができる転職は可能だ。一緒にいて強くストレスを感じる人間がたくさんいる状況は「あなたはもっとレベルアップをして合う場所へ移動しなさい」と言われているようなものではないだろうか。

また、ビジネススキルや知識を高めることで自分はやりたい仕事、適性がある仕事に集中し、やりたくない仕事は外注するといった選択肢を取ることもできる。自分自身は起業して駆け出しの頃はやりたくないことも含めてなんでもやってきたが、今では仕事を頼まれても受けるよりお断りする方が多くなった。たとえ金銭的メリットがあってもやりたくないことはしたくない、という選択肢を得たのもビジネススキルが向上したからだと思っている。

人生からストレス要素を1つずつ減らしていけば、日々の時間は楽しいこと、面白いこと、やりたいことが増えてくる。そうなればQOLも高められるということである。

細かいことをいえば他にもたくさんあるが、人生を楽しくするには本稿で紹介した3つのコツを勧めたい。どれも生まれつきの才能や年齢などは一切関係なく、知識と意欲さえあえば即日できることも含まれている。参考になれば幸いだ。

 

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。