川口で騒いでいるクルド人は「移民」ではなく「不法滞在」

産経新聞が、今までマスコミがほとんど取り上げなかった埼玉県川口市のクルド人の暴動を1面トップで取り上げて話題になっている。

これを見てネトウヨが「移民を入れるな」と騒いでいるが、日本政府は移民を認めていない。これは不法滞在である。日本とトルコは相互にビザを免除しているので、観光で入国して、そのまま居座るケースが多い。このクルド人は20年前に入国し、難民申請を繰り返している。

従来は国外退去を求められても、難民申請を繰り返せばいつまでも国内にいられたが、今年5月の入管法改正で難民申請が2回までと決まり、強制送還の可能性が出てきたため、クルド人が騒いでいるのだ。

「やさしい猫」は不法滞在を推奨する犯罪ドラマ

NHKのドラマ「やさしい猫」は、滞在期限の切れたスリランカ人が婚姻届を出して国外退去を拒否し、訴訟を起こして勝訴する物語である。

裁判官が滞在を認めた理由は「愛があるから偽装結婚ではない」ということだが、こんな判決は控訴審で逆転するだろう。愛があろうとなかろうと不法滞在は犯罪であり、本国に帰ってビザを申請するのが世界共通のルールだ。

ドラマでスリランカ人は「結婚したら配偶者ビサを取れる」と話しているが、これは誤りである。入籍しても配偶者ビザには審査が必要だが、彼はすでに滞在期限が切れていたので審査の対象にならない。

滞在期限が切れても、日本の入管法には前述のような欠陥があったため、難民申請しているかぎり強制送還できず、収容施設に入れていた。これが不法滞在の温床になっていた。

移民は必要だが、高度専門職に限定すべきだ

これを「多文化の共生」などという博愛主義にすりかえるのが活動家の常套手段だが、入国管理は慈善事業ではない。国益にならない移民を大量に受け入れたら、移民暴動が起こっている欧州のようになり、後戻りできない。

日本社会は同質的なので、外国人労働者は3K職場などの差別の温床になりやすい。戦前には約100万人の朝鮮人がいたが、それがいまだに慰安婦や徴用工などの感情のもつれとして尾を引いていることをみても、移民の社会的コストは大きい。

人手不足の日本で移民の拡大は必要だが、永住権はIT技術者などの高度専門職に限定すべきだ。ところが専門職ビザは大幅に不足している。その原因は日本の技術者の賃金が低く、待遇が悪いからだ。

人のグローバリゼーションを実現するためにも雇用を流動化し、解雇できる代わりに賃金を上げる必要がある。単純労働者は日本語のできる人に限り、不法滞在は強制送還し、トルコのように不法滞在の原因になるビザ免除はやめるべきだ。

ただし本物の難民の受け入れは必要だ。台湾有事の場合には、ウクライナ戦争の800万人に近い難民が出る可能性がある。難民を秩序正しく受け入れるためにも、不法滞在は一掃する必要がある。