韓国のイ・スクベ氏らの研究チームが、常温・常圧で超伝導状態になる物質である「LK-99」を開発したという論文を発表して世界中から注目を集めています。
電気抵抗が0になる「超伝導」は、常温・常圧では実現が難しいとされてきました。もしこれが本当ならば、効率的な送電、電子機器・産業機器の高性能化、非破壊検査・診断、リニアモーターカーといった様々なテクノロジーへの応用が期待されます。
「LK-99」は硫酸鉛の一種(ラナルカイト)を調整することによって作られているそうです。
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これまでの超電導は高圧下か高温下のでないとできませんでしたが、常温・常圧の物質が発見されたとしたら、革命的な発見になります。
Science誌によれば、「LK-99」は合成方法も比較的単純で、研究結果の真偽はすぐに分かりそうだとのことです。
そもそも超伝導とは?
ちなみに、超電導(超伝導)とは①電気抵抗がゼロで②マイスナー効果が観測されるという2つの現象が観測されることが超電導であることに必要です。
①ある特定の物質を混ぜ合わせて作った材料を冷やすと「電気抵抗がゼロになる」という現象が起こります。
②超電導状態になっていると、反発しあうことも、くっついてしまうことも起こりません。このことをマイスナー効果と言います。
これらが実現すると、産業では飛躍的な応用がなされることが期待されます。
事実ならノーベル賞級の発見
この実験結果が事実ならノーベル賞級の発見ですが、その実験の真偽に疑問の声も上がっています。
STAP細胞とは違うという意見も。
動画だけではなんとも言えないそうです。
現在、世界中で追試が行われているそうです。
「LK-99」の論文は2020年にNatureに投稿されましたがリジェクトされていたそうです。
超伝導関連で株価が上がっている気の早い銘柄も出てきています。
この発見が事実ならば後発の研究への影響は計り知れません。
日本のリニアモーターカーにも影響がありそうだという指摘も。
ちなみに、超電導と超伝導という表現がありますが、どちらも正しい使い方だそうです。英語だとsuperconductivityなので、どちらかといえば超伝導の方が正確なようです。