「1ドル=150円時代」に日本人が考えるべきお金のこと

為替が円安に振れています。今日はは1ドル=145円台半ばまで円安が進み、「1ドル=150円時代」もそこまで迫っています。

ただ、為替レートがこれから円高か円安かを予想するのは、プロの為替ディーラーでも難しいことです。だから、素人が為替の将来予想することには意味がありません。

日本人投資家がやるべきことは、日本人にとって最悪の事態、すなわち円安を想定して対策を今から考え実践しておくことです。

円高と円安。日本人にとって最悪なのは円安です。

円高は円の価値が上昇することですから、日本円を稼いでいる多くの日本人にとっては良いことといえます。円安になって、収入が変わらなくても実質的な購買力が下落することが問題なのです。

円安に備えるベストな方法は、外貨資産で定期的な収入が得られるようにすることです。

例えば、毎月円で20万円の給与で働くより、米ドルで1400ドル(日本円でほぼ20万円)の収入を受け取った方が円安になったときの抵抗力が強くなります。

とは言え、日本に住んで働いている場合、米ドルベースで給与が得られる人は極めて限られています。

しかし、投資のインカム収入であれば、日本にいながら米ドルの定期的な収入を得ることが可能です。

私が受け取っている米ドルの定期的な収入としては、アメリカの不動産、FXのスワップ金利、米ドル建私募債、海外銀行の米ドル定期預金などがあります。

あるいは保有しているカンボジアの投資用不動産(写真)からも、定期的に家賃収入が米ドルで入金されます。

これらの収入は、米ドルベースでは変動しなくても、円安になれば円ベースの手取り金額が自然に増加します。

もし今後さらに円安になれば、手取り額はさらに膨らむことになります。

私は、清潔さ、治安、食の充実、人の親切さ、生活の利便性などから東京に住むのがベストだと思っています(花粉症と夏の暑さだけは苦手ですが)。さらに、生活コストの低さも魅力です。ニューヨーク、ロンドン、シンガポールと比べれば驚異的なコストパフォーマンスです。

生活拠点を東京に置きながら、その生活費を海外で稼ぐ。これこそ、現時点のライフスタイルとして最強コンボだと思っています。

昨日のブログで、農耕型の投資が大切と書きましたが、その中でも、外貨収入を一定比率確保する事は極めて重要です。

NiseriN/iStock


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年8月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。