カナダ議会はゼレンスキー大統領の訪問に合わせ、来賓として第二次大戦中にソ連と戦っていた98歳のウクライナ人も招待していました。
カナダ議会の下院議長は招待された退役軍人のことを「英雄」だと讃えていました。しかし、その直後に喝采を浴びた人物がドイツ軍武装親衛隊(SS)の師団に所属していたことが分かり、元ナチス隊員を議場に呼び寄せたとして議長の責任問題にまで事態は発展しています。
ユダヤ人であるゼレンスキー大統領の訪問中、かつてナチスのために戦ったウクライナ人男性が国会で表彰され、スタンディングオベーションを受けたことを受け、カナダ下院議長は謝罪した。
議場では元ナチス隊員にスタンディングオベーションが寄せられていました。
カナダ・ブナイブリス(ユダヤ系人権団体)、ナチス親衛隊退役軍人に対する議会のスタンディングオベーションを非難
カナダの下院議長であるアンソニー・ロタ氏は辞任を表明することになりました。
トルドー首相は以前にトラック運転手を中心としたデモ隊がナチスが用いていた鉤十字を掲げていたことを厳しく非難していました。
しかし、同氏がナチスとゆかりのある人物を立法府に招いたことで、ダブルスタンダードを指摘されています。
ジャスティン・トルドーが、家族がウクライナからカナダにやってきたユダヤ人女性であるメリッサ・ランツマン保守党議員を、鉤十字を振り回す人々と一緒にいると非難したことを覚えているだろうか?そして今、彼の政府はナチスの部隊で戦った人物を下院に招いた。彼はロシアに勝利を与えた。
思い出してほしい。 トルドーは、一人の人物(おそらく仕込み)がナチの旗を振ったという理由で、他人をナチだと非難した。
そして今、彼は本物のナチを議会に招き入れた。
元ナチス隊員がカナダ議会で賞賛されたことにユダヤ系人権団体は怒り心頭です。カナダ議会に居た元兵士が所属した部隊はホロコーストに関わっていたそうです。
ナチスの犯罪部隊の退役軍人を国会がこのような形で称えるなど、言語道断にもほどがある。カナダの兵士たちは、ナチスの蛮行から世界を解放するために戦い、死んでいった。
第二次大戦中、ウクライナ人の中にはソ連の圧政から抜け出して独立を勝ち取るために、ナチスドイツと協力した人々がいました。
そのなごりもあってか、ウクライナ軍の紋章などにはナチスの影響が見られます。
ウクライナの最前線におけるナチスのシンボルは、機微に触れる歴史の問題を浮き彫りにする。
兵士がナチスの紋章をあしらったワッペンを使用することは、ロシアのプロパガンダを助長し、西側諸国が半世紀かけて排除しようとしてきたイメージを広める危険性がある。
欧米だけではなく、アジアや中東のメディアもこのニュースを取り上げていますが、日本では外国メディアの日本語媒体ぐらいしか報道していません。
今は熱烈にウクライナへの支援を主張している米国シンクタンクも、数年前までは同国の極右主義に警鐘を鳴らしていました。
NATOでさえ、ウクライナはナチスと問題を抱えていると考えている。
ウクライナは極右の暴力という深刻な問題を抱えている(そして、RTはこの見出しを書かなかった)」 – 大西洋評議会
ナチスドイツや反ユダヤ主義にシンパシーを感じる勢力はウクライナ国内に一定数存在します。しかし、極右組織への対処はウクライナの国内問題であり、ロシアが「非ナチ化」を掲げてウクライナを侵攻する理由にはなりません。