価格設定によって得られる「スクリーニング効果」

友人や知人が企画した食事会などのイベントに誘われる機会があります。

お会いしたことのない初対面の人たちが集まる会の場合、参加するかどうかはかなり慎重に考えます。特に少人数の場合には気を遣います。

原則として参加費用が安い会は、見送るようにしています。例えば、初対面の人たちが会費7000円で10人集まるといった会です。

参加のハードルが低いことによって、付き合ってはいけない人と出会ってしまう可能性があるからです。

意味もなく費用の高い会にも行きませんが、ある程度の時間とコストをかける意味があると思う会を選ぶことか大切だと考えています。

もちろん高額の会だからといって素敵な人たちが集まるとは限りません。

港区おじさんや港区女子のようなマウンティングピーポばかりで、ゲンナリする時もあります。そこは主催する人のメンバー選定のセンスを信じるしかありません。

価格設定の大切さは、友人のイベントだけではなく、私自身の運営するコミュニティーでも実感しています。

私が主宰する個人投資家のコミュニティー「資産設計実践会」は、現在159名のメンバーで構成されています。

手前味噌ながら、参加者からは「素晴らしいメンバーが揃っている」と良く言われます。その理由の1つは、初回の参加費用設定にあると思っています。

この手のコミュニティーは、参加費用が低くなると、メンバーの質が低下します。「困った人」が紛れ込んでくるのです。

他のメンバーとトラブルを起こしたり、金銭的クレームを言ってきたりと、問題を起こす可能性が高くなります。

コミュニティーだけではなくセミナーでも同様です。無料のセミナーになると、なぜか文句を言う人が増えてきます。

価格設定によって、どんな人と知り合えるかが変わってくる。

私は価値に見合った価格であれば、高いものを選ぶようにしています。その方が結局は良質なメンバーと知り合うことができ、「安くつく」と思っているからです。

間違えてはいけないのは、単に価格が高いだけではダメだということ。続けていると徐々に信用が落ちていき、いつしか人が集まらなくなります。

高価格で「価値>価格」であること。これが必要十分条件です。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年10月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。