イスラエルとハマス:ガザにいる日本人の救出は出来るのか?

藤井聡太氏の8冠、まずはおめでとうと申し上げます。私は将棋は分からないのでコメントしませんが、一番記憶にあるのは名大付属高校で出席日数が足らなくなった時、自分は棋士としての道を歩むと決め、自主退学の判断をされたことです。今時高校も出ていないのか、という世間体に対してプロの道を極めるという選択が17歳にしてできるメンタルの強さには舌を巻いたものです。今、誰もなし得なかった頂点を極めたその次は何を目指すのでしょうか?将棋を世界に広げるというのもアリじゃないでしょうかね?

では今週のつぶやきをお送りします。

皆さん、株で儲かっていますか?

「儲かっていない!」という方が大半でしょう。金曜日の日経平均は178円安だったのですが、プライム市場の騰落を見ると上昇が101銘柄に対して下落が1708銘柄なのです。このところの日本の株式市場はローラーコースターで非常に不安定な状態ですが、個別銘柄では日替わりで注目株が出るもほぼ単発打ち上げ花火で終わります。つまり指数相場といってもよく、個別は目も当てられないというのが実態です。

同様に北米市場も散々でいわゆる中期投資の観点で見ると負け組続出になっているかと思います。ファンドマネージャーの勢い良い声は全く聞こえてこず、専門系メディアのカバーもほとんどありません。多分、今は忍耐の時だと思っています。FRBのスタンスもバラバラで各地の連銀総裁の放言は止めてもらいたいと思うぐらいです。来週は放言が多く予定されていますのでまた市場は振り回されるでしょう。ちなみにこの金曜日は週末の戦争リスクが注目され金が大暴騰しています。

そんな中、目先期待されるのが中国が巨額の経済対策の準備をしているのではないかという話です。不良化した不動産の支援について、今までは地方政府主導故に融資平台に大きな問題が生じていたのを抜本的に見直すという噂はあります。中国の原油の消費はさほど落ちておらず、経済の自律回復過程にあるのだろうと見ています。一方、インドはカナダとの問題でミソをつけた可能性は高いとみています。インドの諜報機関、RAWがシーク派活動家を殺害した証拠をファイブアイズは共有しているようでRAWが西側諸国での活動を行ったとすれば一線超えたともされ、西側諸国とインドのビジネス関係はややネガティブとみられています。

イスラエルとハマス

イスラエルがガザ地区を攻めています。ふと思い出したのが私の経営する東京のシェアハウスにお住まいだった2人の女性が今どうしているのか、ということです。21年5月末にコロナの状況が落ち着いたのをみてガザ地区に人道支援団体の派遣で向かいました。この2人とは珍しくよくやり取りをしたのですが、特殊な場所だけに世界情勢に気をつけながら自分の身を守ることを忘れずに、と申し上げ、2人が元気に飛び立っていったのを覚えています。今、まだ現地なら無事であることを祈ります。

世の中の報道のトーンはイスラエル支援が主流です。つまりテロリストのハマスに味方をするとは何事だ、というスタンスです。テロリストに対しては最も厳しい姿勢で臨むというのは911事件以降、明白な姿勢であり、イスラエルとアメリカ、英国が一心同体に近い関係であることから世論操作に近い状態になっています。よってTBSがイスラエルの強硬な姿勢に反対の報道姿勢であるのが余計に目立つ状況になっています。

イスラエルはガザ地区の地中深くに作られたハマスの攻撃施設と地下通路の破壊のため、地上戦はいつ始まってもおかしくなく、既にガザ地区北部への警告が出ています。一般人の人道回廊の協議が進んでいますが、長さ約50キロのガザ地区を南に行けば国境はエジプトのみ。そしてそのエジプトは国境を閉めています。確かに今、国境管理を緩めれば200万人いるガザの人々が雪崩のように押し寄せ、エジプトが大混乱になることは確実です。カオス(混沌)と言わずしてなんと言えるのでしょうか?ガザにいる日本人の救出は出来るのでしょうか?心配です。

イスラエル軍による報復作戦の空爆が続くガザ地区 NHKより

ビッグモーターの行方

行政処分第一弾といってよいのでしょう。国交省がこの夏に行った34か所の車検工場全てで法令違反があり、うち12か所が指定取り消しとなりました。この判断は違反点数制で360点で処分対象になりますが、最も悪かった工場のポイントは13584点だとか。2けた違います。今後、残りの101か所も調査する見込みで仮に同じような比率で指定取り消しになれば3-40か所にもなり得ます。同社のビジネスモデルは車検場を根幹としてそこから中古車販売などの付随ビジネスをしていることを考えれば先行きの厳しさがいよいよ現実化してきたと言えそうです。

一部にはオリックスが白馬の王子様になるのでは、と報じられていますが、私がオリックスの立場ならまだそんな噂は立ててほしくないところです。今後、行政処分がどっと押し寄せ、保険会社との訴訟もすさまじい展開になるでしょう。どうしても何かやりたいのなら落ち着いたところで一部の営業権を切り離して買うことも出来なくもないのですが、車検許可などはビックモーター社そのものについているので車検場ごとの部分売りに対応できるのは同業者に限られるのではないかと察します。ならばオリックスが同業者と組んで一部事業の買取を行うという手は取れなくはないかもしれません。

放蕩息子という言葉がありますが、この会社の創業者の息子は「調子に乗り過ぎたバカ息子」と断言します。父親も息子に甘かったのでしょう。そしてこんな事態になるとは夢にも思わずも、帝国崩落は一瞬の出来事でした。これは全ての創業系企業の事業継承において言えることです。経済雑誌をいろいろ読んでいても自分の子供に会社を継がせるかどうかで創業者の意見は大きく割れます。最近は子供には継がせないというところが増えた気がします。会社と家族は別物、そして従業員の士気も考えると創業家経営というスタイルは減っていく気がします。

後記
どんなに忙しくてもワークライフバランスには気を配っていて、夜は読み物に没頭するのも一つの楽しみ。ただ、時として時間を返せと言いたくなるような書籍に当たることもあります。本が売れなくなったと言われる中でも出版社の減り方は緩やか。言論の自由を書籍を通じて広めているのでしょうか?ユーチューブでも主張系が相変わらず多い中、どうやったらクオリティコントロールができるのか、どうやったら質のフィルターをかけることができるか、悩ましいです。故に10年経っても司馬遼太郎を読み続けるのは安心安全だからなのかもしれません。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年10月14日の記事より転載させていただきました。

会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。