「倫理法人会」で感じた不思議な爽快感

平塚市倫理法人会で講演をする機会をいただきました。

倫理法人会とは、経営者のための学びの場として「倫理経営」を掲げ、これを実践し、その輪を拡げるグループです。

平塚市では、毎週金曜日朝6時からモーニングセミナーとしてゲストを招き、メンバーとゲストが集まっています。

初めて倫理法人会に参加すると、その一風変わった雰囲気に圧倒されると思います。

ここでは、一糸乱れぬ集団行動、ハキハキとした挨拶、時間厳守といった、今の日本で失われつつある価値観が尊重されています。

「挨拶」「笑顔」「喜び」といった、普段あまり意識しない言葉が、当たり前のように飛び交い、ある種の宗教的な雰囲気を醸し出しています(もちろん宗教団体ではありません)。

私は、人と同じことをするのが嫌な天邪鬼で、礼儀作法もなっておらず、挨拶や人とのコミュニケーションが苦手です。このような集会に馴染めないのではないかと、ちょっと不安でした。

また、自分が働かずに、お金に指示を出して働いてもらうという資産運用のコンセプトが「働きは最上の喜び」という倫理法人会の理念と相反するのではないかとも懸念しました。

結論から言えば、上記の懸念はすべて杞憂でした。

講演が終わり、参加者の方と朝食を食べながら懇親する機会もあり、私の「お金は目的ではなく手段」という考え方に、共感してもらえたことがわかりました。

また、朝から大きな声で挨拶をしたり、歌を歌ったりすると、不思議とすっきりとした爽やかな気持ちになりました。

これは、倫理法人会の根本的な考え方が、こうありたいという人間の本能を、しっかり踏まえたものであるからだと感じた次第です。

今回のモーニングセミナーは、事務局の方の尽力により、過去最高の参加者数になったとのことです。

倫理法人会は日本全国に200以上の組織があると聞きました。またお声がかかれば、全国各地の倫理法人会で講演したいと思います。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年10月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。