世田谷区より江東区が「イケてる」住宅地になる

東京23区は、不動産価格で上昇し、今やなかなかファミリーでゆったりと住める住宅を買うことができなくなってきました。

23区の中でも、特に都心3区と呼ばれる港区、千代田区、中央区は他のエリアとは別格の存在で、価格上昇しています。

その都心3区に続くエリアと考えられているのが、都心3区に渋谷区、新宿区、文京区を加えた都心6区です。

山手線の内側を中心とした東京中心部の都心6区に続くのは、以前であれば山手と呼ばれる東京の西側のエリアでした。

特に目黒区、世田谷区などは、高級住宅地として知られていました。

しかし、最近は、東京東部の湾岸エリアの開発が進み、西高東低という今までの価値観が変わりつつあります。

例えば、江東区です。以前は0メートル地帯の代表エリアとして、墨田区、江東区、葛飾区、足立区などと同列扱いでした。

ところが、豊洲の開発が始まったことで、流れが一変しました。今や、豊洲のマンションは、ファミリー層に大人気。二子玉川的な意識高い系ファミリーの聖地となりつつあります。

不動産価格も急上昇して、普通のマンションでも1億円超え。大企業のサラリーマンでも購入することができない、パワーカップルが住む高級住宅地に変わりました。

CHUNYIP WONG/iStock

私はこの東高西低の流れが今後さらに進み、東京の東部の不動産価値が上がっていくと考えています。

以前の高級住宅であった世田谷区よりも、冴えないエリアと思われていた江東区の方が「イケてる」エリアになる。

そんな「下剋上」がこれからさらに明確になっていくのではないでしょうか?

東京の周辺部ではヒエラルキーの変化が起こっていますが、盤石なのは都心6区です。

江東区のステイタスがこれから高まっていったとしても、都心6区を超える事はないでしょう。

中央区の晴海から橋を渡ると、そこはもう江東区の豊洲です。しかし、その橋の向こうとこちらには、映画「翔んで埼玉」で描かれている東京と埼玉と同じような違いがあるのです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年11月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。