むしろやらない方が良いと思う「こんな年始の挨拶」

以前は当たり前のようにやっていた年初の年賀状のやり取りは、最近かなり少なくなりました。

Yasuko Inoue/iStock

私も誠に勝手ながら、10年ほど前から年賀状でのご挨拶は失礼させていただいています。頂く年賀状も仕事関係で取引先から送られてくるものがほとんどです。

ここまでやり取りが少なくなっても、未だに律儀に年賀状を書いて送ってくれる方もいます。その心遣いが一層身にしみるようになることもあります。ただ、そのような気持ちになるのは、手書きで丁寧に作成したものの場合です。

手書きでもなく、両面プリントアウトしただけの無機質な年賀状は、むしろ逆効果だと感じることもあります。

今年の年初に届いた年賀状の一枚は、印刷された定型的な挨拶に、住所がプリントされただけのものでした。しかも、8年前まで住んでいた目黒から転送されてきました。

差出人を見ると、10年以上ご無沙汰している方です。年賀状の送付リストをアップデートすることもなく、機械的に作業しているのでは無いかと勘ぐってしまいました。

私のように年賀状を送ることすらしない者には、語る資格は無いのかもしれませんが、敢えて送る必要はないと思ってしまいます。

年賀状だけではなく、BCCメールで新年の挨拶を一斉送信してくる人もいます。

今年もパーティーで名刺交換した経営者の方から一斉配信の挨拶メールが届きました。一度お会いしただけの、失礼ながら顔も覚えていない方です。

ご自身の昨年の活動の紹介と、今年の仕事の告知が長文で書かれていましたが、あまりセンスの良いやり方とは思いませんでした。

挨拶というのは、形式よりも言葉の中にどれだけ受け取る側の気持ちを慮っているかが大切だと感じます。受け手を想定しない、独りよがりなコミュニケーションになってはいけません。

と偉そうに書きましたが、私もよくやりがちな失敗で、人のことを言える立場にはありません。他山の石としたいと思います。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年1月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。