優秀な人が好む3つのセリフ

黒坂岳央です。

「優秀さ」の定義はさまざまであるが、こと仕事においては「国語力」が最重要スキルの一つで間違いない。抽象的概念をわかりやすい身近な例でたとえる力や、モヤモヤした漠然とした悩みや課題をバシッと言語化してくれる人は「そうそう!それがいいたかったの!」とスッキリさせてくれる。

こうした潜在顧客の課題を言葉の力で解決し、実際の顧客に昇華させられる人はビジネスマンとして「売る力」があるといえる。顧客の課題を解決し、満足度を高めることで商品・サービスは売れていくし、世にあるあらゆるビジネスで共通して必要なスキルだからだ。

そんな国語力が求められるビジネスにおいて「このセリフは特に優秀な人が好んで使う」と感じさせられるものがある。独断と偏見で取り上げたい。

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本質的

1つ目が「本質的」「本質は~」である。課題にぶつかって悩む初心者は問題のどれが幹でどれが枝葉なのかが区別がつかない事が多い。プロからみれば重要度の低い些末な部分をあたかも問題の主要因として捉えて、その場で立ち尽くしていることが多い。

そこで有効なアドバイスが「どれが対処するべき木の幹となる問題か?」ということを示すものである。これをうまく伝えることができれば、顧客は限られたリソースを必要な課題解決にのみ集中投資させ、そして壁を乗り越えることができる。

指導力、問題解決能力の高い人でなければ問題の本質が何か?という障害の切り分けができないため、課題の抽出や解決段階で頻繁に「本質」という言葉が出る人は経験上、優秀であることが多かった。

結論/結論的に

2つ目は「結論」である。「結論から話すと」とか「結論的にはこうで」といった使われ方をすることが多い。

問題が多数散らばっている状態では、どれからどう優先度をつけて良いのかわからない。専門家側も「問題はAとBとCと…」とひたすら数多く取り上げて並べるだけでは、聞かされる側は優先度が分からない。「こんなにたくさんあるけど、忙しい自分にはとても対応しきれない」「結局、どうすればいい?」と露頭に迷う。その心理を先回りして理解し、「とりあえずこれが一番退治するべき問題だ」と最初にバシッとわかりやすい大枠を見せておき、具体的なアプローチはドリルダウンという流れを作ると論理的でわかりやすい。

そのためには解決策を提示する側が優先度をつけて、一言に集約する力が必要になる。話しの最初に結論を出すには、全体を理解した上で優先度の高い要素を考慮し、最重要ポイントに煮詰める力が必要だ。その力を端的に示す言葉が「結論」である。つまり、結論をつける力があるからこそ、この言葉が出てくるし、最初に結論を示さなければ聞き手の集中力は最後まで持たない。逆に結論をまとめる力がない人はダラダラ色々と話すも、聞き手には「長々話が続いたが結局、何がいいたいのかわからない」という印象を与えてしまう。

戦略

課題解決をする上では、「やる気、勢い、根性論」で解決しようとする人がいる。だがこうした個人の資質頼みのアプローチは強者の理論に過ぎず、大多数の人間は弱いという前提で解決を図る必要がある。

たとえば英語の勉強をしたいけどなかなか続かない時は「歯を食いしばって頑張るしかありません」みたいなアドバイスは何の役にも立たない。それができれば苦労しないからである。

そうではなく、基本的に人間はやる気や継続する力がないという前提で考えるのだ。つまり、「ではどうすればやる気頼みではなく、継続できる環境を作るか?」という戦略的アプローチが必要になる。多くの課題は戦略的に解決を図るものであり、優秀な人ほど属人的な攻略ではなく可能な限り再現性の高い解決策を模索するので「戦略」という言葉をよく使う。戦略なき解決はただの妄想でしかない。

本稿で取り上げた内容はいずれも個人の体験によるもので必ずそうだと言い切れるものではないが、過去色んな場所、立場で働いてきた中で仕事ができる人はいずれもこれらのセリフを積極使用していたと記憶している。

 

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。