子ども家庭庁は大丈夫か…?
末冨芳「○○ペのクレームを思い出す」
奈良教育大附属小学校において教育法令を逸脱した指導が行われていた違法状態が発覚した問題に関し、こども家庭庁こども家庭審議会部会委員の末冨芳 氏が「○○ペのクレームを思い出す」「不適切なのは誰だ問題でもあるような」と投稿。
この事案を問題視しないどころか、問題視した者を攻撃しています。
本件は国歌の君が代を6年生以外には教えていなかったという点が強調されがちですが、道徳の授業を全校集会で代わりにしていたり、毛筆による書写の授業時間が30時間不足していたなど、異常な事案だということは16日の報道の段階で見て取れました。
末冨芳「誰が指摘したか明らかにせよ・カリキュラムオーバーロード」
【独自】必修の習字授業なく「君が代」指導もなし…国立奈良教育大付属小で不適切授業 検定教科書使われず学校教育法違反も(FNNプライムオンライン(フジテレビ系)) – Yahoo!ニュース
末冨氏はまた、上掲記事のYahooエキスパートコメント欄(魚拓)でにおいて「カリキュラムオーバーロード」という認識が示されているとともに、「どのような人物がどういった経緯で問題を指摘したのかも明らかに」せよとし、「教育の政治的中立性」を持ち出しています。
さらに「公立と比較しても国立大附属校には人員や予算上の余裕がなく、毛筆指導の指導者が確保できなかった可能性もあります」と書いています。
教育法令違反の話に関して政治的中立性の問題とするのは無理がありますし、その前提で「通報者を明らかに」と言っていることには、彼女自身の教育における政治的中立性に対する疑問とともに恐怖を覚えます。
そして、記事に現われた事実関係からは「カリキュラムオーバーロード」が原因で起こったものとは到底予想できないものであるし、小学校での毛筆指導は国語科の授業として行われるため、国語科教員の免許があればできるものなので、きわめて的外れな事を書いています。
奈良教育大附属小学校違法指導問題の通報経緯と原因・記者会見後公表
奈良教育大学附属小学校の教育課程に関する不適切事案のお詫び及び報告書について – 【新着情報】お知らせ(魚拓)
奈良教育大学附属小学校における教育課程の実施等の事案に係る報告書(PDF)(魚拓)
1月17日、奈良教育大学が記者会見をし、大学HP上で報告書を掲載しました。
奈良県教育委員会・奈良教育大学長・奈良国立大学機構・が問題視し、文部科学省にも報告が行っていた事案であることが分かります。産経新聞によれば、「文科省は全国の国立大付属校に対し、運営状況の点検を求める方針」とのことでした。*1
末冨氏の見立てが完全否定されたと言えます。
ただ、「各教科の不足している時間について、その分はどんな内容の教育に充てられたのか?」については全く触れておらず、「キレイに」まとめたなという印象です。
次に、本件の原因については「職員会議が事実上の最高意思決定機関となっており、校長のガバナンスが機能していなかった」事が報告されていますが、なぜそういう状況に陥ってしまったのか?主導的な役割を果たした人物は居なかったのか?について書かれていないのも気になります。
本件は報道各所もその辺りに触れていないのが気になります。
なお、SNSでは「奈良」という土地の特殊性や、匿名コメントから「平和学習」などが行われていたことの指摘があります。
以上
編集部より:この記事は、Nathan(ねーさん)氏のブログ「事実を整える」 2024年1月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「事実を整える」をご覧ください。