なぜニュー新橋ビルに吸い込まれてしまうのか?

晴海フラッグに引っ越してから3週間。2月1日からはBRTが運行開始して、7分ほどで気軽に新橋まで出られるようになり、ほぼ毎日利用しています。

サラリーマンの聖地としてたくさんの飲食店が並ぶ新橋ですが、中でも駅前にあるニュー新橋ビルはそのシンボル的存在です。

中に入ると、格安チケット店、カロリー高めの飲食店、ちょっと怪しげなマッサージのお店、占い師のお店などが雑然と並んでいて、昭和の雰囲気が満載です。

その中のいつ行っても行列ができているむさしやというカウンターだけの洋食のお店に並んで食べてみました。

オムライスが圧倒的な人気なのですが、注文したのはお店の人気ナンバー2のオムドライです(写真)。オムライスのケチャップライスの代わりに、ドライカレーが入り、スパゲティーと千切りキャベツが添えられたボリューミーな逸品です。

デフォルトでタバスコが添えられていて、スパゲティにかけて味変も楽しめます。

最近流行りのフワッとトロけるような卵ではなく、薄皮の卵焼きのような硬めの焼き具合が何ともレトロ。子供の頃の懐かしい家庭の味を思い出します。

むさしやに限らずこのビルの魅力は果たしてどこにあるのでしょうか?それは、昭和レトロでカオスな雰囲気だと思います。

無計画にテナントが入居するので、格安チケット店やマッサージ店が乱立し、その過剰ともいえる店舗間の競争が人を惹きつける原動力になる。

最近の日本ではあまり見かけないエネルギーに満ち溢れた場所です。

人工的に作られ整然と区画整理された晴海フラッグがシンガポールだとすれば、ニュー新橋ビルは香港のような雑然とした雰囲気。

どちらが好きかと聞かれると、やっぱり私は人間の匂いがする猥雑な場所に惹かれてしまうのです。

むさしやでオムドライを食べたばかりなのに、もう次回には何を注文しようかとあれこれ考え始めています。

もしかしたらまた明日、BRTで新橋に出かけニュー新橋ビルでご飯を食べているかもしれません。もし見かけてもそっとしておいてください(笑)。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年2月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。