日本中のお寿司の名店が「港区」に集まる理由

日本各地には東京には無い個性を持った素晴らしいお寿司屋さんがたくさんあります。そんな名店のポップアップを次々と企画している「港区の看板の無いお店」があります。

こちらのお店は会員制で看板も無く、一般の人はその存在にすら気が付きません。カウンター8席だけの空間ですが、ネットで募集をすると会員から次々と予約が入って毎回満席になってしまう人気ぶりです。

その理由はお店のセレクションにあります。北海道から九州までのお寿司の名店が次々と週替わりで登場します。東京のお店が開催することもあります。

中には、地元では予約がなかなか取れないお店もあります。しかも、地方のお店になると現地に行くのもなかなか大変です。

今週宮城からやってきたお寿司屋さんは登米という仙台から車で90分ほどかかる場所にあり、東京からのアクセスは正直良いとは言えません。

地元の食材を車で運んできて同じクオリティで提供してくれるのはとてもありがたいことです。今回も脂の乗った塩釜の絶品マグロ(写真)を始めとする地元の素晴らしい食材をお腹いっぱい食べさせてもらいました。

輸送コストや人件費もありますから、価格は地元で食べるよりは割高にはなりますが、交通費や時間を考えると納得感があります。

そしてもし気に入ったら、次回は東京ではなく地元のお店に予約を取って行くこともできます。

以前登場した高松のお店や目黒のお店は、こちらで開催されたのポップアップがきっかけで地元のお店にも行くようになりました。今回の宮城のお店もとても気に入ったので、早速10月に予約して行くことにしました。

寿司店からしてもこのようなポップアップを開催することで、東京の顧客の開拓をすることができます。当日に感動して数か月後の貸切の予約を入れて帰った人もいるそうです。

また、他のお店との価格やクオリティの比較をされることになりますから、自分のお店の立ち位置を客観的に比較することもできます。

一口にお寿司と言っても、地域によって酢飯の味から使われる食材まで大きな違いがあるのが、日本の寿司文化の奥深さです。現地の日本酒を飲みながらローカルな味わいのお寿司を味わう。東京でそんなことができるのは最高の贅沢です。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年2月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。