人生の3つの「坂」への対処法

人生には3つの坂があるといわれます。「上り坂」「下り坂」そして「まさか」です。それぞれの坂にどう対応していくかを平時から考えておくべきです。

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上り坂では調子に乗ったり、慢心しないことです。また、急に尊大な態度を取る人も出てきますが、それをきっかけに転げ落ちるリスクがあることを忘れてはいけません。

成功すればするほど「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という言葉の通り、奢り高ぶることなく今まで通り平常心で生きることが大切です。

成功の原因は自分自身の努力や運だけではなく、周囲の人達からのサポートあってのものです。尊大な態度でリスペクトされなくなれば、人心は離れていきます。

一方の下り坂になったら、悲観しすぎないようにすべきです。

永遠に続く下り坂はありません。「夜明け前が一番暗い」という言葉もあるように、どこかで下り坂が終わり、展開が変わっていくはずです。ピンチは成長のチャンスと考えることで、腐ることなく地道な努力を淡々と続けることで再浮上のきっかけがやってきます。

3つ目の「まさか」といえば、今回の大谷翔平選手に起こったトラブルが典型的です。

想定外の事態を避けるには普段からの準備が必要です。リスク管理の重要性です。万一の事態を想定して、それに対応できる方法を専門家に相談しながらきちんと用意しておく。

また、人は時と共に変わってしまうことがあります。信頼できるパートナーであっても、すべてを任せきりにしないことです。

そして、まさかの事態が起こった時に、悔やむことの無いように悔いのない毎日を過ごし、やりたいことはやっておくことです。

例えば、交通事故に遭えば、好きな場所に旅行に行けなくなるかもしれません。健康を害すれば、食べたいものが食べられなくなったり、お酒が飲めなくなるかもしれません。

「下り坂」や「まさか」ではメンタルのタフさも要求されます。トラブルの渦中にあっても、それを引きずらないで自分のやるべきことに集中する。

大谷翔平選手は中村天風氏の書籍の愛読者であることは知られています。天風氏には「今日一日、怒らず、恐れず、悲しまず、正直、親切、愉快に生きよ」という名言があります。

メンタル面でもその図抜けた力で、きっと今回の「まさか」を克服してくれると信じています。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年3月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。