自民党は、政治資金パーティーの収支報告書への不記載などによる政治資金問題をめぐり、安倍派と二階派の39人の議員に対して処分を下しました。
注目されたのは、安倍派の塩谷元文部科学大臣と世耕前参議院幹事長の処分です。両名には離党勧告が出され、世耕氏はこれを受けて自民党を離党した一方で、塩谷氏は弁明書を党側に提出しました。
塩谷氏と世耕氏を当初予想されていた非公認より厳しい処分にした一方で、萩生田光一前政調会長らに対しては党役職停止にとどめました。
下村元政務調査会長や西村前経済産業大臣には1年間の党員資格停止が言い渡されました。軽いとはいえ状況によっては致命傷になりかねないという見方もあります。
安倍派で事務総長を務めた高木前国会対策委員長には半年間の党員資格停止が、二階派で事務総長を務めた武田元総務大臣などには1年間の党の役職停止が言い渡されました。
結果的に、不記載の金額によって処分の厳しさが変わってくるということでもなかったようです。
一方で、二階元幹事長は不記載が最も多く、3526万円に達したにもかかわらず、次期衆議院選挙への立候補を辞退したことを踏まえて処分の対象外となりました。また、岸田総理大臣自身が会長を務めていた派閥の元会計責任者が有罪となりましたが、処分されませんでした。
この処分に対しては党内外から様々な意見が出ており、自民党の党運営に大きな影響が出ることが予想されます。
4月28日に衆院の3つの補欠選挙を控えていますが、党内の流動化や内閣支持率の低下が政権基盤に影響を与える可能性もでてきています。
【離党勧告】塩谷立 世耕弘成
【党員資格停止1年】下村博文 西村康稔
【党員資格停止6カ月】高木毅
【党の役職停止1年】武田良太 萩生田光一 橋本聖子 林幹雄 平沢勝栄 堀井学 松野博一 三ツ林裕巳 山谷えり子
【党の役職停止6カ月】衛藤征士郎 小田原潔 菅家一郎 杉田水脈 中根一幸 宗清皇一 簗和生 宮本周司
【戒告】大塚拓 岡田直樹 尾身朝子 加田裕之 柴山昌彦 末松信介 関芳弘 高鳥修一 中山泰秀 西村明宏 細田健一 羽生田俊 堀井巌 丸川珠代 山田宏 吉野正芳 和田義明