投資で成果が出ないのは「間違ったこと」をやっているから

2024年から拡充された新しいNISAをきっかけに投資に興味を持っている人が増えていると思います。しかし、結果を出せる人はそれほど多くはありません。

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その理由は「間違ったこと」をやっているからです。

投資とはリスクを取ることから、リターンを得ようとする経済行為です。

ここで注意すべきことはリターンに繋がらない無駄なリスクを取っても成果は出ないということです。

例えば、株式の銘柄選択を行うのは、ほとんどの人にとってはリターンに繋がらない「間違ったこと」です。

なぜなら値上がりする銘柄を選んで投資をして他の人よりも大きな利益を得るためには、他のマーケット参加者よりも自分の銘柄選択能力が優れていることが必要です。

しかし、投資のプロと言われるファンドマネージャーでも、半分以上は市場の平均値(インデックス)に勝てないという過去のデータがあります。ほとんどの個人投資家は、プロのファンドマネージャーよりも優れた銘柄判定能力を持たないと考えるのが自然です。

結果が出せる可能性はゼロではありませんが、極めて低いと言えるのです。

だから、銘柄選択による投資は、多くの個人投資家にとっては、やらないほうが良いのです。

また銘柄選択を行うと、1つの投資対象に資金が集中することになります。

その結果、資産の変動率が大きくなり、下がった時のマイナスも大きくなります。その結果、下がってしまってやめてしまう可能性も高まります。

私は、金融資産に関しては、個別の銘柄に分散させるインデックス運用を行うのが正しいやり方だと思っています。

なぜなら、過去のデータから実証されているように、確率的に勝てる可能性が高いからです。個別銘柄の投資で莫大なリターンを上げている人がいるのは事実ですが、例外的と考えるべきです。

投資する銘柄を選ぶのは正しい投資ではありませんが、楽しい投資です。多くの個人投資家が正しい投資ではなく「楽しい投資」に陥ってしまうのはとても残念なことです。

投資のリターンは、楽しみながらやって得られるものではなく、勝率の高い方法を愚直に続けることから得られるのです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年5月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。