円安だからといって、海外が全て高いわけではない

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海外旅行に出かけた日本人が円安で何でもモノが高いと書いているSNSの投稿をよく見かけます。

確かに、今回来ているハワイでも数年前に行った時と比べると、エアチケットの値段等はかなり上がっています。

また、スタバでコーヒーを買うと価格は日本の1.5倍位になります。感覚としては、1ドル= 100円位の換算レートになります。

ランチで食べたタコスも一人前チップを入れると4000円くらいになります。日本人が悲鳴を上げる理由もわかります。

しかし、すべての値段が日本に比べて割高なわけではありません。

例えば、ワイキキのメイン通りのABCストアで販売されていたクラフトビールは日本円で450円程度(写真)。価格は日本とあまり変わりはありません。

また、ホテルの朝食もチップ込みで45ドル程度ですから、東京や京都の高級ホテルの朝食価格とほぼ同じです。

以前に比べれば、確かに旅行費用トータルではかなり高くなっていますが、ラーメン3,000円というような極端に高いものだけにフォーカスするのは、バイアスをかけ過ぎだと思いました。

現地の方に聞くと、日本からの観光客は半減。特に、パッケージツアーの人が激減して、来ているのは個人のラグジュアリー層に偏っているそうです。

「ハワイは高い」というイメージが広がれば、海外旅行にハワイを選ぶ人は価格をあまり気にしない人だけに限られます。

ハワイはニセコと同じように限られた日本人しか行かない観光地になるような気がしました。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年5月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。