人生に困った時にやってはいけないこと

黒坂岳央です。

誰しも人生に行き詰まる瞬間がある。どんなに明るく前向きで、悩みなどなさそうな人にでもいくつも悩みがあるものだ。

自分自身、人並み以上に色んなことに悩んできた。その際、世間で言われている「行き詰まった時はこれをしましょう」とされる提案がうまくワークしなかったことが多かった。持論を取り上げたい。

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1. 気晴らししてごまかす

個人的に最も良くないと思うのが「パッと気晴らしをして考えないようにする」という戦略である。確かに一時的にそのことを忘れることができる、という点で効果はある。しかし、それをしても根本的解決をしているわけではないので、頭の片隅にずっと問題として残り続ける。

自分自身、仕事で悩んだ時に周囲から勧められて気晴らしをしていた時期があった。しかし、悩んでいる時に遊んでも楽しくない。常にそのことが頭に残っているので、遊びに集中することができないのだ。結局、根本解決をしてしまうのが一番いいという考えに至った。

会社員の頃でいえば、職場の人間関係に悩んでいる時はずっと我慢して耐えていたが、思い切って直接相手と話をしたことで解決した。また、仕事内容に悩んでいた時は社内異動を申請したり、転職をして解決した。完全に解決してしまえば、もう二度とそのことについて悩むことはなくなるし、気晴らしも必要ない。目を背けたくなるような課題に直面した時ほど、逃げずに正面から解決してしまえば良いのだ。

2. 色んな人に相談する

何かあると見境なく、色んな人に相談をする人がいる。自分では気づかなかった視点を得られる可能性があることは認めつつ、個人的にはこれはあまりやらない方がいいと思っている。

まず、他人と自分は価値観や優先順位がまったく異なる別の人格である。同じ地域、同じ年代、同じ趣味であっても考え方はまったく違う。それぞれの持論を聞いたところで、自分が必要とする答えが返ってくる可能性が低い。それどころか、色んな意見を聞きすぎて余計に混乱したり、それぞれの意見に影響されて主体的な判断に至らないため、決断後も「やらされ感」が残ってスッキリしない。

結論的には、自分の問題は基本的に自分自身で解決する方が良い。たとえ、その決断に誤りがあってもいい。自分がした決断の過ちを正面からしっかり受けるべきである。そうすれば少なくとも、次の決断をする時には前回の教訓を引き出すことができる。そうやって人間は賢くなるべきであり、何でもかんでも自分で考えずに他人に判断を委ねていてはいつまでも決断力が磨かれない。そうなれば、経験や考えの浅いまま年を取ってしまうだろう。

3. 感情的な時に決断をする

人間は感情の生き物なので、普段は落ち着いている人も一時的に気の迷いでとんでもない決断をしてしまうことがある。特に夜はオーバーポジティブ、もしくはオーバーネガティブに触れやすく、夜の間にコミュニケーションを取ると翌朝、夜の妙なテンションでアクションを取ったことを後悔することになる。

たとえば会社を続けるか、やめるかを考えるなど大きな決断をする時は気をつけるべきである。感情に任せてしまえば、上司に辞表を叩きつけるようにケンカ別れのようになりがちだ。そうなれば、日本広しと考えて転職をするも意外と業界は狭く、リファレンスチェックが入った段階で後悔することになる。

自分が普段意識していることは、夜はコミュニケーションと決断はしないという厳格なルールである。仮に夜、何かメッセージを作成するにしてもそのまま夜送らず早朝文面を見直してから送信する。寝起きのフレッシュで冷静な頭で確認すれば、そのまま送信していたら危険な内容が含まれていることに気づくことができる。

誰しも悩みはもっている。重要なのは誤ったアプローチで解決しようとしないことだ。

 

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。