洗面台が1つでは「ラグジュアリー」とは言えない

奈良は好きな観光地の1つです。素晴らしいお寺がたくさんあるのに京都に比べて空いていて、広々としているのが気に入っています。ゆっくりと仏像などを鑑賞することができ、のんびりできるのが最高です。

奈良には良いホテルがあまりありません。これは泊まりで訪問する観光客が少なく、日帰り客がほとんどなので宿泊需要が高くないのが理由の1つかと思っています。

そんな中、昨年マリオット系列のラグジュアリーホテルがオープンして、奈良に行くとこちらを利用しています。

私はマリオットボンヴォイの「奴隷」です。ポイントを使ってプラチナエリート特典を付与してもらうと、宿泊費ゼロ円(正確には入湯税300円)でお部屋をアップグレード、朝食無料といった条件で利用できます。さらに夕方4時までのレイトチェックアウトにしてもらえました。

しかも温泉露天風呂の付いた解放感のある部屋だったので、24時間好きな時に露天風呂を楽しめました。持ち込んだクラフトビールをお風呂で飲むのは最高です。

このホテルには毎日17時から19時までのシャンパンアワーもあって、ドリンクが飲み放題になるサービスもあります。

ホテルスタッフの対応も極めて良く、素晴らしいホテルです。

ただ、1つだけどうしても理解できないことがあります。それは、お部屋の洗面台が1つしかないことです。

シングルユースを前提としたビジネスホテルであれば、洗面台は1つで充分ですが、ラグジュアリーホテルの場合、2名の利用がデフォルトであり、であれば洗面台は2つ確保が大前提です。

新しくオープンした新築の建物ですから、設計段階でなぜ考慮しなかったのか不思議です。

この「洗面台問題」は、私が住んでいる晴海フラッグでも同じです。

このマンションでは115平米の4LDKの部屋にも洗面台は1つしかありません。以前住んでいた東京ミッドタウンにあるホテルレジデンスは、100平米程度の部屋でも洗面台は2つ付いていました。

4LDKであれば、少なくとも家族が4名くらいで暮らすマンションですから、洗面台は最低2つは必要です。

ホテルやマンションの洗面台などのインフラが充分に装備されていなければ、真の意味で「ラグジュアリー」とは言えません。

ラグジュアリーとは金ぴかの豪華なインテリアでデコレーションすることではなく、快適な生活に必要なインフラをきちんと用意するところから始まるのです。

alvarez/iStock


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年6月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。