金閣寺は大混雑で銀閣寺はガラガラの理由

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京都訪問の主目的はお気に入りの飲食店に出かけることです。今回も連日予約を入れておいたお店に出かけて、京都の食を楽しみました。そして、その合間に観光も少しだけしてみました。今回出かけてみたのは金閣寺と銀閣寺です。

どちらも市バスを使えばタクシーが捕まらなくてもアクセスは比較的容易ですが、金閣寺に向かうバスは外国人観光客と地元の人たちで混雑していました。

金閣寺の入口には修学旅行生も集まって、さらにたくさんの人でごった返しており、入口のチケット売り場も行列です。オフシーズンの朝の早い時間でこんな状態ですから、紅葉の季節になったらどうなるのか。考えただけでゾッとするくらいです。

その後に出かけた銀閣寺は金閣寺とは対照的でした。

入口までの参道には観光客は少なく、どのお店も閑古鳥です。入口もひっそりとしており、中に入っても観光客の数はまばらでした。少人数の修学旅行生なども見かけましたが、その数は圧倒的に少なく、狭い境内をゆっくりと見て回ることができました。

金閣寺はピカピカの外観でいわゆる「インスタ映え」する観光施設です。一方で銀閣寺はいぶし銀の建物で玄人好みのお寺です。

金閣寺では外国人グループが大量の写真を撮っていましたが、銀閣寺では静かに庭を鑑賞しているような人が多い印象です。

金閣寺のような映える観光地は、訪問者が次々にSNSにキラキラした画像をアップします。それがまた観光客を呼ぶことになり、観光客が集中し大混雑になってしまいます。おそらく清水寺や八坂神社などの有名な「映える」観光地も同じ状況です。

ところが京都の中でも地味なお寺はオーバーツーリズムというほどの観光客の集中は起こらず、意外に空いています。

であれば、敢えてメジャーな観光地を外して、ゆっくり滞在時間を楽しむ方がストレスなく時間を過ごせます。

京都は金閣寺や清水寺に行かなくても、もっと素敵な場所がたくさん見つかります。観光客がメジャーな場所だけではなく、もっと分散すればオーバーツーリズムも少しは解消するのではないかと思いました。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年6月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。